サイキョージ氏 JR全線完乗の記
●テツとの出会い
2017年10月21日(土)和田岬線を最後にJRを全線完乗した。
私が乗り潰しにハマったのは2002年のことである。
いわゆるテツであるT氏と同じ職場になったのがきっかけであった。
私はそれまでも鉄道についての知識は人よりは詳しく、
鉄道旅行はとても好きであった。
この年にT氏と一緒に鉄旅を始めることになる。
前の勤務先はテツを引き寄せる磁石みたいなところで、
2006年に時刻表検定の名誉博士の資格を持つDr.Kも転勤して来たのがイケない。テツの先輩諸氏2人と全国の鉄旅をし始めたものだから私の中にムクムクとJR線全線制覇の気持ちが湧いて来たのも当然のなりゆきであった。
その当時Dr.KもT氏もJRについては、ほぼ100%の完乗率であったので結局、私の未乗区間の乗り潰しに付き合っていただいたことになる。(感謝)
お二人の鉄道全般に関する知識はハンパじゃなく一緒に旅するだけで私の中に、かなりの知識が入ってきた。
●乗り潰しというゲーム
2002年から詳しく乗り潰しに関するデータを取り始めた。
JR線に限ると、JRが旅客営業をしている路線の総距離はおよそ20,000Kmある。異論はあろうがJR各社で分断されている路線、たとえば東海道線などは3路線、美濃赤坂支線なども1路線として数えると全国で216線区ある。
このうち2001年以前の既乗路線は38線区、4915Km、全体の24%に過ぎなかった。ここからゲームが開始されたのである。
2002年から2009年末までの8年間は
主として春、夏、冬の「青春18きっぷ」を使うことが多かった。
この間に潰した路線は62線区、5039Kmになる。
所々で特急を使用したりJR東の土日きっぷを使ったりして全体のほぼ50%を乗り潰したことになる。
しかし未だ半分である。
特に東北、北海道は、まだまだ未開拓の状態であった。
2010年にJR東日本の「大人の休日倶楽部」に入会すると、
飛躍的に乗り潰す路線が増えた。
ご存じのように会員パスが年4回程度売り出され、
このキップを使うことによって東日本管内ばかりか、
価格は高くはなるがオプションで
JR北海道の新幹線、特急まで乗り放題になる。
それゆえ、このキップの発売期間にあわせて鉄旅を組み込むことが多くなった。
T氏、Dr.Kは会員ではないので単独行が多くなる。
それ以外にもJR西日本の「おとなびパス」、JR北海道の「悠遊旅倶楽部」(現在は廃止)の会員になることによって新幹線、特急を使いながら比較的安く、効率よく未乗区間を潰していった。
乗り潰しも終盤に近づくと、わずかな乗り残しを潰すために多額の出費を余儀なくされるようになった。
特に山田線(岩手)には格別の思いがある。
この路線は気象条件によってすぐに運休になる路線だ。
1度目は大雨、東日本大震災の後、
2度目の挑戦のときは動物の接触事故、次は土砂崩れ、
と次々とトラブルに見舞われ運休になる。
2010年に岩泉線を潰したあと大雨で運休になって乗り残した茂市~宮古間を乗り潰すために都合3回も足を運んだ。
3度目は宮古まで代行バスで入り、川内駅までの区間運転の列車で乗り潰したという最も苦労した路線であった。
JRのキップで3回も振替輸送の岩手県北交通106急行バスに乗ったのは私ぐらいだろう。
山田線も岩泉線と同じように不通区間を放置したまま廃線になるかと思いきや、JR東日本の予算で復旧工事をしたあと、路線を三陸鉄道に譲渡し存続が決まったのはうれしい限りだ。
「数キロに 数万かける 乗り潰し」
「いつまでも あると思うな ローカル線」
これが実感である。
2010年から現在までに乗り潰した路線は残り116線区10404Kmで全体の半分をこの8年ほどの間に潰して完乗に至った。
● 心に残った車窓
★只見線(新潟、福島) 大白川~只見、只見~会津川口
冷房のないキハ40がうなりをあげて長大な六十里越トンネルを越えて行くのは圧巻である。
阿賀野川に沿う路線は列車が鉄橋を渡るときとても美しい。現在運休中。
★根室本線(北海道)
・厚岸~根室(花咲線)
湿原と広大な原野の中を走る単行のキハ52、
車窓は日本の風景とは思えない根室に近い落石駅あたりは海岸段丘から見下す太平洋が絶景である。廃線危惧路線のひとつ。
・落合~新得
落合から石勝トンネルに入り石勝線と合流したあとトンネルを抜ける。
新得までの途中に巨大な信号所が3ヶ所もあり峠を下って行く。
はるか下に新得の町が見える。
数ある峠越えの中で一番壮大であろう。
★奥羽本線(山形新幹線) 米沢~福島
米沢から福島まで峠越えの難所を新幹線が走って行く。
後方の車両から前方を見ると峠を越えて福島に向かって下って行く「つばさ」の姿が美しい。
★釜石線(岩手) 陸中大橋~上有住
キハ110は陸中大橋駅からループ式のトンネルを登って高度を稼いで行く。
トンネルを抜けると眼下に先ほど出発した駅が見える。
逆コースは経験してないが駅に向かって列車ごと落ちていくような
ジェットコースター感覚がするだろう。
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