サイキョージ氏 冬の鉄旅2017 飯田線/天浜線編
冬の鉄旅 ミステリードラマのコースをたどる
2017年が明けてもゆっくりできた日はほとんどなかったのであるが、1月9日(祝)だけ予定が入らず、休息できることになり冬の鉄旅を計画した。急な予定だったのでチケット屋を回っても青春18きっぷは品切れの店ばかり。こんな時、頼りになるのがDr.Kだ。メールを入れると2発余ってるとのこと。1発を譲ってもらうことになり計画を実行した。
高槻→京都→(新幹線)→豊橋→(飯田線)→相月→(バス)→天竜二俣
→(天浜線)→掛川→(新幹線)→豊橋→大垣→米原→高槻
今回は天竜浜名湖鉄道(天浜線)の西鹿島~掛川を潰すことにした。夏に天浜線の新所原~西鹿島と遠州鉄道、西鹿島~新浜松間を潰したので残り区間を潰すべく計画を立てた。同じコースをたどっても面白くないので飯田線相月駅から天浜線西鹿島をバスで抜けるコースを考えた。このコースは「鉄」には有名なルートで、かつてミステリードラマのトリックに使われたことがあった。
当日は祝日ダイヤなので高槻から乗ると米原でJR東海との接続が極めて悪い。しかたなく、少し贅沢であるが京都~豊橋間を新幹線でワープすることにした。京都発8:59こだま642号の自由席でゆったりとコーヒーを飲みながら朝食を取る。日頃の煩わしさから解放される至福の時間だ。豊橋着10:20、駅ナカの「成城石井」で昼食を調達して飯田線に乗り換える。
豊橋発10:42の岡谷行き519Mは1日3本しかない飯田線を乗り通す電車である。1本の電車として、走行距離は岡谷まで200Kmほどだが停車する駅の数は全国でも屈指の電車であろう。313系2両編成の電車はこまめに止まる。途中、本長篠では15分も止まってくれる。飯田線は豊川水系に沿って走る。東栄を過ぎると静岡県に入り天竜川水系に変わるようで川の流れが逆になる。中部天竜を過ぎ、次の佐久間から飯田線には珍しい長いトンネルを抜けると相月駅である。駅票には浜松市天竜区と書いてある。駅前には人家が1軒あるのみで秘境駅といってもいい佇まいである。階段を下りると遠鉄バスのバス停があった。電車が4分ほど遅れていたのでバスの接続時間は5分ほど。
バスがほぼ定刻13:05にやってきた。このバスは水窪~西鹿島間を運行する路線バスである。1日5本しかないので乗り継ぎに失敗するとあとがない。飯田線で水窪まで行ってしまうと乗り継げないので相月駅から乗るのがミソである。乗客は私ひとりでバスは天竜川を堰き止めた秋葉ダムのダム湖に沿う国道152号線を走って行く。エメラルド色した湖面が美しい。途中、西渡というバス停で時間調整してトイレ休憩。再出発してから乗客がぽつぽつと乗り込んできた。バスの運賃表を見ていると一定の距離を乗ると690円から動かないことに気づいた。越えた分は浜松市が補助金を出しているのだろうと思われる。水窪から西鹿島までは50Kmほどある。平成の大合併で、どこまで行っても浜松市だ。こんなのありかいな。合併前の住民サービスが維持できているのか疑問だワ。
定時運行であればバスは西鹿島に14:29に到着し天浜線掛川行きと4分で接続するのだが遅れを見越し、西鹿島での乗り継ぎをあきらめる。1時間後の列車に乗ればいいのだが、それに乗ってしまうと帰宅時刻が遅くなるので、途中の山東バス停で下り、ここから遠鉄バスJR磐田行きに乗り換えた。このバスに乗り、天竜二俣駅で下りると、この駅始発の掛川行きに乗り継げ、掛川到着が30分遅れるだけですむ。山東から乗り継いだバスは14:44に天竜二俣駅に到着した。
実はバスを降りたときホームには西鹿島で乗るはずだった気動車が待っていたのだ。てっきり下り列車だと思って見過ごしていると掛川方面に出発して行ったのでビックリした。あ~ぁ時刻表を確認しておくべきだったぜ。一部の列車が天竜二俣で10分ほど停車することに気づかなかったのだ。気をとりなおして風情のある駅舎や車庫を写真におさめたあと15:05発の掛川行きに乗った。掛川までの天浜線の駅舎はどれも味があり鉄道自体が有形文化財になっているそうである。掛川着15:58。
帰路、掛川からすべて在来線を利用すると時間がかかりすぎるので新幹線で豊橋までワープする。掛川発16:12こだま663号に乗り豊橋着16:46、特別快速大垣行きに乗り換えて大垣着18:19、ここで夕食をとることにする。行きつけの「ひょうたん」はお休み、駅前の居酒屋は成人式の打ち上げの客で満席、3軒目に入った「鳥貴族」で席を確保して一杯飲んだ。評判通り、酒を含め一品280円で安かった。
大垣発19:34米原行きに乗り米原で新快速に乗り換え、高槻着21:22、明日に響かない程度の時間に帰宅できた。青春18きっぷ以外のJR特急料金と乗車券の合計は9500円ほどであった。天浜線では西鹿島~天竜二俣までの乗り残しをつくってしまったが面白い旅だった。
最後に、インターネットの普及により地方の路線バスの時刻表が瞬時にわかるようになった結果、このような乗り継ぎが可能になった。便利な世の中になったものだ。一方で町村合併が進み、○○県○○郡○○町がなくなっていくのはきわめて寂しいと感じた冬の鉄旅でもあった。
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