2016年2月の鉄旅 まとめて惜別乗車の3泊4日
「大阪しなの」「カシオペア」「スーパーカムイ~エアポート」「はまなす」
(ワイドビュー)しなの9号 京都 9:24 → 名古屋10:58
名鉄快速特急 豊橋行 名鉄名古屋 11:18 → 東岡崎11:47
2年連続の新幹線の延伸開業に沸く一方で、私にとっては非常になじみ深い列車がまた3つ、その歴史を閉じる。その列車とは愛知出張の友「大阪しなの」と、北海道への帰省時の友、「スーパーカムイ~エアポート」、最後の急行「はまなす」である。
しかも、今年のダイヤ改正は例年より遅く3月26日に設定されており、青函トンネルの区間も、切換え工事のため年末年始や直前は全面運休するほか、私自身もありがたいことに仕事が非常に忙しく、仕事上は最繁忙期となる年度末にぶち当たり、惜別乗車が非常に困難な年になってしまった。
仙台の旧友M氏や、大学時代の友人T氏からの紹介で、東北エリアでの新たな仕事の依頼を受けたため、それにひっかけるかたちで1回の行程の中にこの惜別乗車と「カシオペア」をすべて組み込み、1か月以上前ではあるが、ほくほく線を走行する「はくたか」以来、早い段階での惜別乗車とあいなった。
2連の付属編成が2組増結された10両編成の9号車に陣取り京都を出発。
京都駅を出てフツーに外側線を走り、時刻どおりに米原駅8番線に到着。ここで乗務員が入れ替わり、岐阜を経て、1分遅れで名古屋に到着。名古屋ではおりる客を無視してわれ先に乗り込んでくる自由席の客のマナーの悪さも普段どおり。
でも、この何でもない長年の愛知県方面への出張での日常が、この3月末でなくなってしまうのは何か寂しいものがある。
出張先は岡崎の商売道具の職人さんのところである。若旦那が2016年からあとを継ぎ、六代目新社長となり、先代社長は大旦那(ご本人いわく隠居)となった。新社長へのあいさつと、5月の仕事で必要とするモノの製作依頼である。
リニューアルされたパノラマスーパーにのって東岡崎駅に移動。駅近くで昼食をとり、13時のアポを目指して徒歩で工房兼店舗に向かう。
見本を持っていったため、話はスムーズ。30分足らずで商談成立。また徒歩で東岡崎駅に戻る。
快速特急 新鵜沼行 東岡崎 14:22 → 名鉄名古屋 14:51
ひかり 524号 名古屋 15:27 → 東京 17:10
豊橋に停まる「ひかり」とは豊橋でのタイミングがあわないのと、乗継割引を有効利用するためにいったん名古屋に戻って東京に向かう。今日はこのあと高円寺のとある店に向かう。今後の仕事のため、T氏の紹介で、そこの店長とある方に会うためだ。毎度のことだがT氏の人脈には恐れ入る。
今度は新塗色になった2200系に乗って名古屋に戻る。最近は豊橋行がパノラマスーパー、逆が2200系に当たる率が高い気がする。
新大阪折返しの「ひかり」はN700系が運用に入るためやってきたのはN700A。指定された11号車のE席へ。この列車は小田原までノンストップで、小田原からは各駅に停まる。
疲れがたまっていたのか、目が覚めた時は多摩川を渡っていた。東京駅の14番線に到着し、すっかりE233系に変わってしまった中央快速で高円寺に向かう。
吉祥寺で仕事をしていたT氏と高円寺で合流し、目的の店へ。無事ご両人と会うことができ、杯を酌み交わす。このお二方も来年度の新たな仕事でのカギを握る人物となるからだ。
はやぶさ101号 東京7:56 → 古川9:49
リゾートみのり 古川10:14 → 鳴子温泉11:00
8734D 普通 小牛田行 鳴子温泉12:30 → 古川13:14
やまびこ49号 古川13:52 → 一ノ関14:10
午後~夕刻の用務で一ノ関に行く前に「リゾートみのり」と温泉をひっかけようとするあたりがT氏らしいところ。
仙台で捕まえるのが困難なので、仙台から各停になる「はやぶさ101号」に乗って古川で捕まえる。
「リゾートみのり」は古川に10:03にやってきて13分も停まっているのでゆっくり撮影できるかと思いきや、車内からカメラを持っていかにも大人の休日倶楽部の年配の客が出てくる出てくる。
40系DCが種車のリゾートトレインはいろいろあるが、元がローカル用で乗り心地はいかんともしがたいので、特急料金をとるのはいかがなものかと思うところで、この車両で快速なのは妥当な線である。
温泉を堪能し、復路はキハ110の毎日運転の臨時列車で古川に戻り、「やまびこ49号」で一ノ関へ。
E2系の10連。こいつもいつまで乗れるのかねぇ…。
用務を終え、普通なら、一ノ関にも「カシオペア」が停まるから、一杯やって時間調整しつつ、ここから乗るのか…と思いきや、実は、違うのだ。
やまびこ54号 一ノ関 18:37 → 福島19:32
カシオペア 福島19:52 → 札幌11:15
なんとT氏は、3回目のディナーでフランス料理を予約していたのだ。福島まで戻れば、20:10開始の3回目に間に合ってしまう。
…てなわけで、「やまびこ54号」で福島まで戻る。なんと芸が細かいこと。
「カシオペア」は普通にツインを利用。T氏ときたら、私のスケジュールにピンポイントでよくこんなのとれたワ…。
自室に帰っても、このプラチナチケットを抑えてくれたT氏への御礼も兼ねてワインを持ってきた私は、それでT氏と乾杯。
翌朝は函館を過ぎたところで起床。この時間帯の函館本線で客レに乗っているのは久しぶりかもしれない(最近はほぼ「はやぶさ1号~スーパー北斗7号」で道内に入っていたため)。今後はもう通ることはないであろう藤城線(「はまなす」で後述する)を味わってから朝食へ。
こうして札幌まで「カシオペア」を堪能。道内の撮影ポイントにはやっぱりカメラが多い。
札幌でいったんT氏とはお別れ。当日の「スーパーカムイ」の運用をみながら新札幌~岩見沢間を1往復し、789系1000番台と785系貫通5連は一応クリア。やっぱ785系のゲンコツ編成(モハ785-500を含む編成)は2編成しかないし、785系が優先的にすずらん運用に入るから、「スーパーカムイ~エアポート」運用で狙うのが難しく、滞在時間内でクリアできず。「エアポート」からこいつらがいなくなるのは寂しいですねぇ…。しかも、代わりに増えるのがuシート以外はロングの733系とは…。721系の秀逸さをここでも感じますねぇ
急行 はまなす 札幌22:00 → 青森6:19
はやぶさ8号 新青森6:49 → 仙台8:54
やまびこ210号 仙台9:06 → 福島9:28
いよいよ、「はまなす」の惜別乗車。
ラストランの日は、仕事で乗れないのが確定しているので、ここで乗っておく。
「はまなす」の指定をとるのは私の担当だったのだが、さすがにカーペットは取れず、ドリームカーを並びでとるのが精いっぱいだった。
このきっぷを購入した時、実はJR西の某駅でひともんちゃくあった。
「はまなす」から「はやぶさ8号」など、乗継割引がからむ日をまたいで運転する特定の列車(はまなすやサンライズなどが該当する)を乗り継ぐときは、乗継列車の発売日時以外の適用条件をすべてクリアしていれば、例外的に1日早く乗継列車のきっぷを購入することができる(この制度自体は約款に明記されていて、該当列車が通達に記載されている)ので、「はやぶさ8号」の指定をとったうえで、東北新幹線の特急券を購入することができる。しかし、この制度の詳細(当該列車)がJR内通達しかないのをいいことに、同時購入を阻止し、乗継割引を逃れることを目的に組織的に虚偽説明を行っているのかと、ほぼ確信に近い疑念を持つくらい、当事者である九州以外JRの窓口ですらまともに対応しない(本州3社および一部旅行会社は然るべき部署の責任者たる人物が「ウチの職員(の知識や技量を)を試すな」という趣旨の暴言を吐き逆ギレをするレベルである)。
さらに、「はやぶさ8号」の指定しか取れないことを逆手に取り、特急券を仙台で分断してくる。
改札を出なければ、福島までは特急券は通しですけどねぇ…。まさにやりたい放題。
こちらが指摘しないとまんまと乗継割引を適用されずに通常料金で買わされてしまうので要注意である。
私は、東日本大震災の支援活動に積極的に参加している(昨日の一ノ関もその一つ)ので、帰省明けにこれがはまって、「はまなす~はやぶさ」で移動し、「はやぶさ」を盛岡や仙台で降り、乗継も含めたその後の動きをする、ということが多いため、関西人でありながらこのきっぷをここのところ毎月のように購入し、この事情に明るいのである。
いよいよ「はまなす」に乗車。東室蘭までは帰宅客がそれなりに乗っているし、そのニーズもあるからたとえ特急になったとしても、この時間帯をカバーする列車は必要だから、改正以降は特急「すずらん」としてスジが残されたのだろう。
私は「はまなす」自体はよく乗っているのだが、札幌~南千歳の区間で乗るのは実に久し振りである。
停車駅ごとに衝撃で目が覚めてしまうあたりも「はまなす」らしいところである。
「はまなす」がなくなる、ということは、定期の優等列車が砂原線からもなくなる、ということである。
砂原線というのは函館本線が駒ケ岳を越える七飯~大沼~森間では実質複線区間(単線並列)になっている上り線側の大沼~森間の通称で、上り列車の上り勾配を緩和するため渡島砂原をとおるルートのことで、定期の優等列車では「はまなす」が唯一(臨時は「トワイライトエクスプレス」の大阪行のみが)このルートを通っているのだ。
夕刻から雪が強くなり、若干遅れ気味だが、函館での停車時間が1時間ほどあるので、たいていはここで吸収するので、青森にド派手に遅れて到着、ということはあまりない。
往路の「カシオペア」でも改正以降では優等列車がなくなる藤城線を通っている。藤城線はこの駒ケ岳越えの区間の七飯~大沼間の下り線で、こちら側に途中駅はないが、下り列車の勾配緩和という目的は砂原線と同じで、下りの優等列車は現在こちら側のルートを通っているのだが、上り線のみに存在する現渡島大野駅が北海道新幹線開業で新函館北斗駅になるため、改正以降の旅客列車は一部を除いて上下とも上り線を通ることになる(藤城線は一部を除いて下り貨物専用のルートになる)。
江差線と津軽線は貧弱な単線区間なので行き違い列車のからみで若干の遅れが生じることはよくある話。
青森からは6:28分発の新青森行シャトル便でつなぎ、「はやぶさ8号」に乗る。
「はやぶさ8号」は盛岡まで各駅停車で、ここからも北上、一ノ関、古川と飛び石で停車するので、
通過する駅は新花巻、水沢江刺、くりこま高原の3駅だけなのにはやぶさ料金はキッチリ取られるので、なんか損した気分になる。とはいえ、仙台~東京間の時間帯がいいため、いつ乗っても乗車率がよく、指定をとっていなければ立席になることもあるくらいなのだ。殿様商売だなぁ…。
仙台で「やまびこ210号」に乗換える。この列車は白石蔵王以外のすべての駅にとまり、しかも後続の「やまびこ」にギリギリ抜かれないので、小山までの各駅へはこの列車に乗換える。福島まではあっという間。ここで、在来線へ。「とれいゆつばさ」は在来線ホームから出るからだ。
とれいゆつばさ1号 福島10:02 → 山形11:19
つばさ140号 山形12:08 → 大宮14:22
のぞみ251号 東京18:40 → 京都20:58
ここでまた昨日に続き福島に戻ってくる。今回の行程ではこの福島はキーポイントになっている。
在来線ホームに新幹線車両が停まっているのは新鮮。当然カメラの砲列の的になる。新幹線に座敷と足湯というのがまた新鮮。
しっかし、ミニ新幹線で在来線を走るからこそできる芸当で、このあたりはゼニアール東日本の商魂を見せつけられてる感じやなぁ。
ぐいぐいと峠を登っていくけど、ここを新幹線と直通というのは、最初はピンと来なかった。
しかも、ジョイフルトレインって…
新庄まで行ってると肉料理にありつけないので、山形で折り返す。
現在は仕事の関係で山形に居を構える、私とT氏の大学の後輩C氏のご家族、仙台のM氏と合流し、C氏御用達の山形が誇る肉料理のお店へ。これがまた絶品。
雪の降りしきる山形をあとにし、C氏と束の間の再会を果たした我々は「つばさ140号」に乗り、大宮に向かう。乗換なしで2時間ちょいだから速いものだ。
「つばさ」は福島駅では上下とも14番線から発着するので、このホームだけが非常に慌ただしいのが特徴で、この連結開放作業も注目の的になる。
「つばさ」と併結される上り「やまびこ」も、「はやぶさ」などが高速で通過する下り線を平面交差で横断してくるから、ダイヤ設定も神業に近いものがあるのだ。ここと新大阪の11番線、近鉄の尺土駅のダイヤ設定は毎度のことながら感心する。
上り「つばさ」は「やまびこ」の入線後にこのホームに停まるので、連結までに3回停止し、連結されてからドアが開く。ちょうどここが中間点。
福島を出ると下り線をまたいで上り線へ。これが「つばさ」の醍醐味でもある。大宮で下車。ここでT氏と別れ、一駅先のさいたま新都心駅前の今回の行程最後の用務地へ。
さいたま新都心から上野東京ラインで東京に出て、あとは素直に帰路についた。
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