大人の休日倶楽部の会員パスの今年1回目の発売にあわせて旅程を組んだ。今回の発売から北陸新幹線の開業にあわせてキッチリとJR西日本管内の富山、金沢、福井まで行けなくなっている。そのかわり値段が2,000円安く設定され15,000円になった。西日本管内から入ると今までは福井までの運賃・料金だけで済んだのだが今回からは上越妙高までキップを買わされる。これだとJR東海を使うのとさほど変わらない。
2015/6/26(金)1日目
京都→金沢→上越妙高→大宮→仙台→石巻→女川→小牛田→古川
京都駅で朝食とコーヒーを買い込んで8:10発サンダーバード3号の自由席に座る。自由席は7割程度の混み具合で余裕をもって座れた。日頃の忙しさから逃避して車窓を眺めながら至福の時間を過ごす。金沢到着が5分ほど遅れたので乗り継ぐ北陸新幹線はくたか560号は乗り継ぎ客をすべて誘導したあと4分遅れの10:35発車であった。金沢始発なので自由席に余裕で座れた。やはり新車はすがすがしい。金沢から1時間で上越妙高に到着。
いままでと時間感覚がまるで違う。北陸新幹線開通前までは「えきねっと」で予約した指定券の多くは直江津駅で受け取っていたのであるが、今回からはその役割が上越妙高駅にかわったわけだ。JR東日本のHPを見てみるとJR西日本管内でも北陸新幹線の停車駅なら受け取れるようになったようだ。
上越妙高駅のみどりの窓口で予約していた5枚の指定券を受け取る。ここからが大人の休日倶楽部パスの出番だ。弁当とビールを買い、上越妙高12:36発はくたか562号の指定席に乗り込む。すぐに長いトンネルに入り、10分で飯山、あれよあれよと思っていると長野到着だ。ここからは速達便になって高崎まで止まらない。大宮着14:02速いワ。大宮のエキナカでコーヒーとスイーツを買い、大宮発14:46発はやぶさ23号に乗り込む。次はもう仙台だ。
仙台着15:52、ここで在来線に乗り換え16:14発、仙石東北ラインの快速石巻行きに乗る。4両編成のハイブリッド気動車である。
仙台を出ると塩釜まで止まらない。松島駅の手前で新しく作られた仙石線への渡り線が分岐する。東北本線の上り線を横切るために本線上で停止してから渡り線に進入する。渡り線上でも停止して信号が換わってから仙石線へと入っていく。JR東日本が交直両用の電車より車両価格が高いハイブリッド気動車をこの区間に運用した理由は、渡り線が300mしかないので「デッドセクションがつくれなかった」からではないかと思えた。
高城町で仙石線の電車と交換。2年前、この駅から陸前小野駅まで代行バスに乗った区間は陸前大塚駅から陸前小野駅まで山側に新線が敷かれ、津波の被害を受けて廃墟になっていた野蒜駅は山の中に新設されていた。石巻着17:13、5分の連絡で震災から復活した石巻線、石巻~女川間を乗りに行く。今回のダイヤ改正でキハ40系気動車は引退し、キハ110系に置き換わっていた。陸羽西線、陸羽東線との共通運用のようだ。女川着17:44。
津波でキハ40系の気動車もろとも流された女川駅は山を切り開いた場所に新設されていた。木の香りがするすばらしい駅舎だ。周りはまだ大規模な工事中で駅を中心とした街づくりの真っ最中であった。来たときと同じ気動車に乗って引き返し、小牛田で陸羽東線に乗り換えて古川着19:36。今夜はここで泊まる。夕食はホテル近くの居酒屋でとろうとしたのだがあいにく金曜日の夜で満席、3軒目にやっと入れた店は全国展開している「庄や」だった。全国どこでも同じメニューかと思いきや地元の食材を全面に出した品揃えで安くてうまかった。
6/27(土) 古川→仙台→盛岡→宮古→久慈→二戸→一ノ関
この日は朝から雨。岩手県地方は大雨で被害もありそうなことを朝のニュースで言っていた。早速これから乗る山田線が不通になっていないかをネットで調べたが朝7時の時点では動いていたのでホッとする。
朝の出発が早くなるため古川から各停のやまびこ41号に乗らずに、古川8:41発のはやぶさ8号に乗り仙台まで引き返して、はやぶさ3号に乗り換えて盛岡までいった。この判断が間違いで仙台まで乗ったはやぶさ8号は通路まで人があふれて通勤列車の様相であった。あ~ぁ30分ほど早く出てやまびこに乗ればよかった。仙台から乗ったはやぶさ3号は9:52に盛岡に到着。山田線の「さんりくトレイン宮古」に乗ろうと改札を出たところで「山田線は列車がクマに衝突して不通」の表示。さんりくトレインだけでなく快速リアスも運休だ。おそらくクマを理由にこれから雨量が増すことを想定にした運休だろうと思われる。
改札で指定券を見せると岩手県北バスへの振替乗車票を渡された。発車時刻は10:40なので時間がある。コーヒーを飲んでくつろいでバス停に向かうとこれが長蛇の列。さんりくトレインの客がすべて宮古行きのバスに殺到したわけである。55人乗りのバス1台で収容できる人数ではない。1台だけ増発してくれたのだがまだ乗れない人が30人はいただろう。私はかろうじて2台目のバスに乗車できた。もし古川から「やまびこ」に乗っていたなら情報も早く収集でき、もう1本前のバスに余裕で乗れ、宮古から三陸鉄道への乗り継ぎも、やきもきしなくて済んだと思われる。目的地に早く着ける列車があればその列車に乗るべし。これが今回の教訓だ。
JRの対応も良くない。不通にするのなら指定券を買っている人の人数は把握できているのだから、早めの対応をバス会社とやっておくべきだろう。なんならJRバスを出せばいいのに。気の毒なのは2台目のバスの運転手だ。バス停で待っている人に「次のバスにお乗りください」と平身低頭でアナウンスしていた。またまた山田線にフラれた。前は茂市~宮古間、今回は盛岡~宮古間、2回も代行バスに乗せられたのもなにかのご縁かな。山田線を潰せるのはいつになるのだろう。次は宮古から入って山田線を潰してやるゾ。
さてバスは国道106号を走る。区界駅あたりからはずっと山田線の線路と並走する。人家もなく、クマしかいないような山中を線路は走っている。途中、道の駅川内でトイレ休憩をとる。宮古駅で13:15発の三陸鉄道北リアス線、久慈行きに乗り継ぐ人が私のほかにも何人もおられた。幸いギリギリ発車時刻に間に合あった。宮古~久慈間も震災で不通になっていた区間であるので今回是非とも乗っておきたかった。風雨が強く見通しはあまり良くなかったが南リアス線に比べると車窓は北リアス線のほうがすばらしい。車窓のみどころで徐行運転をしてくれるサービスがうれしい。久慈着14:50。
ここから私は二戸までJRバス「スワロー号」を利用するのだが駅の改札がなにか騒がしい。八戸線が強風のため不通だって。八戸線は代行バスも出ないということなので、私を含め山田線のトラウマをもつ人たちは雨の中、先を競って「スワロー号」の列に並びだした。なんとか全員乗れそうな人数だ。久慈発15:35発のスワロー号は雨の中、北上山地を越え16:45二戸到着。二戸発17:19のはやぶさ28号で盛岡まで出て、やまびこ54号に乗り換えて今宵の宿泊地、一ノ関に18:37到着。
一ノ関のホテルで川崎在住の旧い友人と落ちあい夕食後はジャズファンなら知らない人はないくらい有名なジャズスポット「BASIE」へ、アナログな昭和の音を聞きに行った。
レコードからカートリッジに拾われた音はアンプを通してJBLのスピーカーから大音量で再生される。CDにはない臨場感が味わえる。音楽好きの人なら一度は足を運んでもらいたい店である。http://www.liveatbasie.jp/
6/28(日) 一ノ関→大宮→高崎→渋川→高崎→高麗川→東飯能→飯能→秋津→
新秋津→府中本町→立川→八王子→橋本→茅ヶ崎→小田原→京都
この日は帰る途中に首都圏で乗り残した区間を潰してから帰ることにする。けっこうハードな行程だ。友人をホテルに残し一ノ関発朝イチ6:48発のはやぶさ102号に乗る。盛岡始発の17両編成なのに座席はこの時間帯でもほぼ満席だ。早めに指定を取っといてよかった。乗客のほとんどが大人の休日倶楽部パスの利用者であろう。このキップはすさまじい数の利用者がいることがわかる。今年からJR東日本が1日あたりの発行枚数を制限したのも理解できる。まるで「大人の青春18きっぷ」の様相である。
大宮着8:30、ここではくたか555号の自由席に乗り込み高崎まで出る。上越線の未乗区間、新前橋~渋川間を潰す。高崎発9:26の水上行きは絶滅危惧種カボチャ色の115系だ。10時前に渋川に到着、お茶でも飲もうかと思ったが駅前のレストランはまだ開業前だったので駅で時間を潰し高崎まで引き返す。高崎で弁当とビールを買い込み次は八高線を攻略する。
高崎発12:10の高麗川行きキハ110系の気動車に揺られる。八高線は関東平野の西の端、のんびりとした田園地帯を走る。両毛線と同じように主要な町には東武鉄道が連絡している。武蔵野線、南武線が首都圏を囲む第一環状鉄道とすれば水戸線、両毛線、八高線、相模線がその外周を回る第二環状鉄道みたいな位置づけかな。ひとたび東京に災害が起これば案外活用できる路線かもしれない。
高麗川着12:40、20分の連絡で八王子行きの電車に乗る。6分で東飯能着、次は西武鉄道に乗って飯能まで行きたいのだが30分以上電車がない。15分ほど歩いて西武池袋線飯能駅に到着。ここから秋津まで出て武蔵野線の西側の未乗区間、新秋津~府中本町間を潰す。以前「はちおうじやまどり」に乗ったとき中央線から短絡線を経由したため乗り残した区間だ。西武池袋線の急行は始発駅飯能から10両編成、30000系の新車両だ。所沢で準急に乗り換え秋津で下りる。秋津からJR新秋津までは340mの標示がある。西武⇔JRの乗り換え客が多く、連絡道路は乗り換え客目当ての繁華街になっている。道に迷うことはなかった。新秋津からJR武蔵野線に乗り換え府中本町着14:13。ここで南武線快速に乗り換え、立川着14:32。さらに中央線に乗り換えて八王子着14:47。さあ、あと一踏ん張り。横浜線に乗り換え橋本へ。この旅の最後は相模線を潰して小田原から帰ることにする。
橋本発15:19の茅ヶ崎行きに乗る。相模線は単線、205系の電車が4両編成でのんびり走る。線路に夏草が目立つ。乗った電車の一両目には子鉄たちが何かイベントでもあるのか写真やビデオを撮ったりして大騒ぎだった。茅ヶ崎着16:15、東海道線に乗り換え小田原着16:40、東海道新幹線こだま671号に乗り、さらに浜松でひかり481号に乗り換えて京都着19:47。
この旅で北陸新幹線、仙石線、石巻線、北リアス線、上越線、八高線、相模線を潰した。首都圏を中心に乗り残した区間をかなり潰せた。JR全線制覇まであと少しだ。
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