Dr'Kの 2013年10月の鉄旅 その3
2013年10月の鉄旅 その3 北越6号で火災発生?!
北越6号 長岡 13:56 → 富山 16:02
長岡から新潟で見送った485系3000番台の北越6号に乗車。
宮内で上越線と別れ、塚山を過ぎてすぐ、トンネルに突っ込んだとたん、列車の速度がみるみる落ちていく。
もわ~ん。車内に煙が…。
用務の電話を切った直後だった私は1号車のデッキにいたのだが、あっという間に煙が充満してしまい、2号車より前は、煙で車内が見えず、息をするのも苦しいような状態になってしまった。
JR北海道の車両火災のニュースも、利用客の記憶に新しいこともあり、「なに?なに?」「おい、煙出てるぞ」「ゲホゲホ、これやばい」
「うわっ!焦げくさいぞ!!」「火事だ!!」「きゃーっっ!!」
車内が騒然とし、お年を召した方や子供連れのお母さんたち、団体客らの顔が恐怖でみるみる顔が引きつり騒然とする。トンネルを出て煙が充満していることが誰が見てもわかる状況になって、しばらくしても車掌や運転士からの放送もないため、たまらず女性客が非常ボタンを押した。
「バッシャ―ッ!! プシューッ!! ゴゴゴゴゴ…」
非常ブレーキを作動するとき特有の、圧縮された空気が一気に吹き出る、特にトンネル内では一番聞きたくない音だ。
みんな自分の荷物を抱えていつでも車外へ飛び出せるように身構える。車内がパニックに。
小生は、数人の男性客とともに、煙でえらいことになっている1号車のグリーン席を抜け運転席へ。
「おーい。煙が出て車内に充満してるけど、どーなってんだ、これ? 大丈夫なのか?」
一緒に行った男性客の1人が運転士に尋ねる。
運転士が「前を走るSLの煙だから心配いらない」…とはいうものの、車内は息をするのもきつい状態だぞ…。
「いや、車内、息(も)できん(できないくらい煙が充満してる)で、これ」
「車掌がもうすぐ放送すると思いますから、落ち着いてください」
一緒に行った人とともに2号車と3号車の客の状況を伝えたら、パニックは収まったものの、「そんなこと言っても、この状態じゃ、なぁ」…という感じで乗客は顔を見合わせる。
みんなで声を掛け合い、持ち合わせのお茶などでハンカチやウェットティッシュなどを濡らして口に当て、姿勢を低くする。このままいたら、煙にまかれるって。私の左手は煤で真っ黒になっていた。
かくして、焦げ臭いにおいと煙を充満させて、列車は越後広田駅手前で停まった。
私の席は2号車前方なのだが、のどが弱い私は、周りの客数人と一緒にたまらず列車の
うしろへ。4号車のデッキに避難した。
ココには車掌室があるのだが、車掌が現状を確認し、運行には差し支えない…、とか、最悪のタイミングでトンネルに入ったとか、ぶつくさ言ってるけど、どこが運転に差支えないねん。列車そのものは無事でも、その中にいる客倒れても知らんぞ。
さすがに我慢の限界。思わず車掌に怒鳴った。
「3号車はかろうじてここから見えてるけど、2号車から前は息をするのもきついし、1号車のグリーン車が一番(煙が)ひどい。お年寄りや子供もたくさん乗ってるから、電車は動いても、客が倒れるぞ!!」
別の車掌が非常用換気装置をあけに走ってる。いまごろ遅いわ。
列車を走らせることしか考えていない。特定のきっぷにまつわる不当請求といい、
こういうところでもJR東日本が、安全よりもカネが第一、利用客=金づるとしか思っていない何よりの証拠。JR西日本の運行情報履歴には出てるけど、JR東日本には一切出てこない。
こっちが言わなきゃ、車販のおばちゃんからは、しきりに出てくる客の体調を気遣うような言葉すら、車掌から出てこねぇじゃねぇか。
実は、トンネルに入った直後にすれ違った臨時快速「SLなおえつ祭り号」の煤煙が充満したものとあとでわかったのだが、さすがに怖かったわ。カンオケに入ることになったらシャレならんし。
直江津を過ぎて、JR西日本の女性車掌に交代。さっそくしらさぎ14号、サンダーバード(以下TB)38号の接続問合せあり。糸魚川を過ぎてやってきた車掌に続々と周りの客が声をかける。ところが、このあとの案内がなんとも中途半端。
富山着の時点でTB38号については金沢で接続をとり、しらさぎ14号に接続をとれない案内はあっても、しらさぎ14号への客へのその後の対処については一切案内がない。
この列車に金沢まで乗りっぱなせば、金沢始発で米原までしらさぎ14号のキレイに1時間あとを行く、しらさぎ64号に乗ることはできるのだが、富山で降りてしまうと、富山からはそのさらに1時間あとの名古屋行き最終しらさぎ16号まで直で米原以遠に行く列車はない(注;高山線経由ならば、岐阜・名古屋へは富山発17:10の最終 ひだ20号があり、しらさぎ16号より早く岐阜以遠に着ける)。そういう意味でも、この代替列車の放送による案内は絶対に必要だ。
話は前後するが、糸魚川駅東側には交直電源切換えのためのデッドセクションがあり、いなほの村上手前同様、非常電源以外の電源がすべて落ちる。
パッと見キレイになったとはいえ、車両自体は老雄485系なので、かつてきたぐに関連の記事でも何度かここにも書かせてもらったが、国鉄世代の交直両用車はすべて、この地点を通過するとき、しっかり「バチン」という音とともに室内灯が消え、空調がとまる。
そのとき「いやっ!! 今度は停電やわ!! もー、どないなってんの?!」という、関西のおばちゃんらしき声が。一瞬空気が凍りつく。
すかさず車掌の放送があったので事なきを得たが、気の利く車掌ならば糸魚川の一つ前の停車駅(たいてい直江津)発車時の「次は糸魚川~云々」の放送時に「次の糸魚川の手前で、電源切換えのため、一時室内灯が消えますので、(故障ではありません)、あらかじめご了承ください」という趣旨の放送をしてくれる。これがあるだけで全然違う。
一時パニックになっているだけに、こういう時は「『安全確認』のために遅れている(この『安全確認』がパニックを引き起こしているだけに)」だけでなく、この案内放送が必須だ。
結局、富山には18分遅れで到着。富山のなじみの寿司屋Kへ。
富山発23:32の金沢行最終580Mで金沢に移動し、東日本大震災前夜、485系雷鳥ラストラン、雷鳥8号に乗車した際にも利用した、金沢の定宿に泊まる。
| 固定リンク
「鉄道旅行記」カテゴリの記事
- サイキョージ氏 JR全線完乗の記(2017.11.03)
- サイキョージ氏の2017年夏の鉄旅 東海道民鉄の旅(2017.08.23)
- サイキョージ氏 冬の鉄旅2017 飯田線/天浜線編(2017.01.15)
- サイキョージ氏 夏の鉄旅2016 愛知編(2016.08.20)
- Dr,Kの2016年6月の鉄旅 (2016.07.26)
コメント
死ぬかと思いました。いやマジで。
ほんとにむせ返りましたから。
JR西日本の運行情報履歴には、本件10/6の15:00の情報として、一行文ながら残っているのですが、当のJR東日本の運行履歴からは、この件、運行情報から検索すらできません。ご意見承りセンターのオペレータも北越6号が
遅れたこと自体、西日本の検索をさせなきゃ認めなかったし。
会社をあげて、都合の悪いことはすっとぼけて隠蔽し、
証拠になるものは隠滅することが徹底されていますね。
ほんとに、利用客の安全やコンプライアンスなんて
くそくらえ。
JR北海道がいろいろなことで取り沙汰されているけど
JR北海道より、カネがあるのに会社のメンツや
利益第一でカネ、カネ、カネである東日本のほうが
よっぽど指導や改善命令を受けてしかるべきだと思う。
投稿: Dr.K | 2013年10月10日 (木) 09時16分
以前に乗った八戸行き485系「つがる」の冷房故障の対応もしかりです。私がJR東本社にクレームを入れなければうやむやにされていたと思います。乗客への対応について猛省してもらいたいものですね。窓が開閉できない車両であれば必ず排気装置が装備されていると思います。SLが走ることがわかっているのであれば排気装置を動かしておくことにとよってこの事故は防げたのではないでしょうか。各地でSLが走っているので似たような事例が今までに発生してきたと思われます。その情報が生かされていないのはJR東の失態であろうと思います。
投稿: saikyoji | 2013年10月10日 (木) 13時17分
>サイキョージ氏
そんなこともありましたね。
投稿: Dr.K | 2013年10月11日 (金) 00時51分
汽車しか走っていない時代もあったのに、大げさすぎるわ。
投稿: | 2013年10月12日 (土) 06時34分
なぜ、一部のローカル線に残っていた汽車というものが、昭和50年代初頭に惜しまれながらも引退することになったのでしょう?
485系3000番台の種車である485系1000番台はちょうどその頃、寒冷地向けの特急車両として設計されていた車両。
SLの煤煙というものは、時として乗務員ですら生命の危険にさらすものです。
現役のSLが日常的に毎日運行されている区間が
現在のJRにありますか?
汽車と定期的にすれ違ったり同じ路線を走ることを想定して設計されているか、ってことです。
この車両には、乗客が自分で開けることができる窓があるでしょうか?
そこが、御身がおおせの汽車しか走っていない時代との
大きな違いで、その時代時代の車両設計が招いたことなのです。
何も知らない一般の利用客が、今回車内に充満した煙を
すぐにSLの煤煙と気づくことができるでしょうか?
ここをご覧になっている方は、鉄道に興味がある方が
多いでしょうが、鉄道を利用しているのは、なにも
鉄道ファンだけではないでしょう。
最近のJR北海道の車両火災の記憶も新しいところだし。
説明があればパニックは一応おさまってるのですから。
私は、今回の利用客の反応は自然な反応だと思うし、
利用客の安全について、考える機会になって
いただければよいと思って投稿したまでです。
不適切なものがあれば、局長氏が私の投稿を採用
することはないでしょう。
投稿: Dr.K | 2013年10月13日 (日) 01時34分