Dr.Kの夏休み ふらっと吉野へ…
そーいえば、2年前のリニューアルで
さくらライナーにデラックスできたんだっけ…
ふらっと吉野に行こう、と思い立ち、
旅は大阪阿部野橋からスタート。
大阪阿部野橋 9:40 → 吉野 10:56 さくらライナー
大阪阿部野橋駅に9:30に到着。
さくらライナーのデラックスシート(以下DX)に
空席がまだあったのですかさずキープ。
そういえばさくらライナーのDXは3号車だったな。
久し振りに乗る吉野特急。山の景色を久々に堪能しよう。
普通席はそれなりに乗ってるものの、
DXは私を含めて4~5人。DXができたことが、
あまり認知されていないのかな?と思った。
大阪府下では停車せず、
最初の停車駅は御所線との分岐駅の尺土。
定刻に発車した列車は、大阪市内を快調に進むが、
矢田を過ぎると徐々に減速。
大和川を渡って大阪市内を脱出した最初の駅、
河内天美で追越す普通にひっかかる。
その後も布忍を通過するまでは
カーブが連続するため速度は上がらない。
高見ノ里の手前からようやく加速する。しかし、
藤井寺手前で藤井寺どまりのもう1本前の普通にひっかかる。
特急の直前の準急は長野行で、古市まで逃げ切るため、
古市までの区間で追い越すのは、
河内天美で抜いた普通1本だけだ。
加速はするが土師ノ里の手前にもカーブがあり、
長野線が分岐する古市駅構内も
大きくカーブしているため速度を落とす。
道明寺を通過するとき、
道明寺線のワンマン列車としばし併走。
古市で長野線が分岐し、運転本数がぐっと減り、
ようやく特急らしい走りになる。
とはいっても、最高速度は110㎞/hで、
今川からしばらくと、この区間だけだ。
最初の停車駅、尺土駅に到着。
ここで2本前の橿原神宮前行準急を追越す。
この駅は、古市~橿原神宮前間の駅で唯一緩急接続ができる。
(古くからの特急停車駅である高田市は相対式ホームしかない)
しかし、近年1番線が増設されて2面4線になるまでは、
2面3線のホームしかなかったため、
上下同時に緩急接続ができず、
御所線内の普通の折返しも含めて曲芸的な発着をしており、
近鉄では撮影と観察が最も興味深い駅だった。
高田市を経て、列車は橿原神宮前駅5番線に到着。
1番線で折返す京橿特急との接続をとる。
ここで下車する客もいたが、
意外と乗車客が多いのにびっくり。
DXにも2人乗ってきた。
橿原神宮前駅は1番線から7番線まであり、
1~3番線が標準軌の橿原線、
4~7番線が南大阪線と吉野線の狭軌線になっていて、
両者が斜めに位置しているため、
連絡通路が途中で折れ曲がっている独特の構造の駅である。
橿原神宮前を出て吉野線に入ると単線になり、
のどかな景色も含めてローカル特急のいい雰囲気が出る。
ここから先は、今までの通過運転とはガラッと変わり、
3つ以上連続で駅を通過することはなく、
半数以上の駅に停まっていく。
石舞台古墳やキトラ古墳の最寄り駅、飛鳥で
史跡めぐりと思しきグループが降りる。
続いて2面3線の壺阪山に連続停車し、
吉野線内のローカル輸送を担当する急行と交換。
2駅通過し、JR和歌山線と共同利用している吉野口に到着。
JR和歌山線は高田以南ではIC乗車券は使えないので、
その旨の案内を車掌がしている。
ここで特急ACEと交換で2分ほど停まる。
吉野口を過ぎ、和歌山線と別れると
列車はぐんぐん山を登り始める。
南海高野線といい、この路線といい、
大阪からほど近いところとはいえ、
景色がいいので心が洗われる。
次は福神で、ここでも急行と交換。
吉野線内では結構な頻度で交換するので、
南大阪線で追越しが少なく、すれ違いの列車も
少なく感じたのがウソのようだ。
福神を出て、トンネルをくぐり大阿太を通過。
左に大きくカーブを切ると、
ここからは吉野川と並行する吉野線の絶景ポイント。
吉野といえば桜だが、ここの景色が見たいがために
わざわざ日が当たる側の1人掛けをとったのだ。
ここは秋の紅葉が一番の景色だが、冬は雪化粧をしたりと、
鉄道に乗って旅行してよかったと思えるところである。
次の停車駅の下市口は大淀町の中心にあたる
2面3線の大きい駅だが、ここでの交換はない。
運転上は最後の通過駅となる次の越部で運転停車し、
もう1本のさくらライナーとすれ違う。
こちらは利用客がまばら。
次の六田からは各駅に停まる。
六田は吉野川の河原の上のわずかなスペースに
車庫が併設されている吉野線の拠点駅でもあるのだ。
ここらあたりから川で泳いだり、
河原でBBQや釣りを楽しむ人が多くみられるようになる。
吉野川から逃げるように左にカーブし、トンネルを抜けると
すぐに大和上市。
狭い場所に右カーブの片面ホームと変電設備とロータリーが集約されたみごとな土地の使い方といつも感心する場所である。
上市を過ぎて右カーブを曲がりきると吉野川を鉄橋で渡る。
渡ってすぐに吉野神宮。
ここから最後の登り坂を登って無事に吉野に到着。
吉野も30度をすでに超えていて暑い。
吉野 13:34 → 大阪阿部野橋 14:51 さくらライナー
吉野を散策し、某大学病院の勤務医をされている旧友Cさんのご両親が営む食堂で昼食をとっていたら、Cさんが帰省されており、思いがけず云十年ぶりに再会。
思い出話に花を咲かせた。
Cさんとあいさつをかわして吉野駅に戻り、
駅前の土産もの屋で家族への土産にくずもちを購入。
帰りもさくらライナーのDXを確保する。
ちょうど大阪阿部野橋からのさくらライナーが到着したところだ。
わずか8分で折り返す。
吉野からDXに乗ったのは私1人。というより、
全線通してちゃんとDX料金を払って乗っているのが私1人だった。
吉野神宮を過ぎて鉄橋にさしかかった時、河原に目をやると、
川のレジャー客と車が往路の時より断然増えている。
左にカーブを切って上市に到着。
目の前が改札ということもあってか、
老夫婦が3号車に乗ってきて、前のほうの2人掛けに陣取った。
「新しいさくらライナーはゆったりしててえーなー」とか言っている。
男性が千円札を握っている。
車内で特急券を購入するつもりらしいが、ここはDX。
最初の交換(急行との)がある六田では、
ここからのってきたおばさんがケータイで
でかい声で話をしながらDXを通り抜ける。
吉野線内、橿原神宮前以南は停車駅が多いため、
車掌が巡回するのは難しい。
越部で運転停車し、老雄16010系と交換。
下市口を出てから、車掌がやってくる。
上市から乗っている老夫婦が、車掌に1000円を渡し、
橿原神宮前までの特急券を2人分(1人500円)所望した。
車掌が「ここはDXなので、特急料金とは別にDX料金も払って
いただかなくてはならない。
いますぐ、ほかの車両に移っていただけるのなら、
特急料金は500円でけっこうですが、
このままお乗りいただくのであれば、DX料金もいただきます」
とほかの車両に移るよう声をかけた。
「乗ってんのはわしらだけ違うやないか」とか、
男性がぶつくさ言っているが当然でしょ。
涼しい顔して吉野川の車窓を楽しみ、
日ごろの喧騒を忘れていやされている私のことを
おっしゃっているのだろうが、
こっちは特急券・DX券・乗車券の3点セットを乗車前に
ちゃんと購入して乗っているのだから、
申し訳ないが、あなた方のような御仁がおられると、
正直に乗車前にきっぷ買ってんのがアホらしくなる。
せっかく2年前からさくらライナーにもDXが新設されたのに、
認知度低っっっっ!!!
アーバンライナーや伊勢志摩ライナー、しまかぜ
といったほかの近鉄特急のDXはJRでいう
グリーン車のような、それなりの雰囲気があるけど、
さくらライナーのDXはそんな雰囲気ゼロ。
4両固定という短編成なのだから、
DXは編成端の4号車に持ってくればよかったのに…。
とつくづく思う。
実際、さくらライナー以外でDXがある特急車両は、
全車特別車のしまかぜを除けば、
アーバンライナーも伊勢志摩ライナーも、
DXはすべて編成端にある(ちなみにこれらは6両編成)。
2本目の急行と交換する福神では、
となりの2号車に学生と思しき団体が集団で乗車。
吉野口ではACEと交換、2分停まる。
5番線は1日1本しか停車しないとはいえ、
草が伸び放題になっている。
ほんま、JR西はローカル線をなんやと思ってるんやろ…。
3本目の急行と交換する壺阪山、飛鳥を経て、
列車は橿原神宮前に到着。
真っ昼間の阿部野橋行とあって、乗車率は、往路ほどはない。
2両編成のACEでもおつりがくるような乗車率である。
ここからは複線になり、線路条件も格段に良くなるので、
高田市までは110㎞/hでぶっ飛ばす。
高田市でそれなりに乗車がある。
あべのハルカスへでもお出かけになるのだろうか、
女性の姿が目立つ。
最後の停車駅となる尺土では、本線となる3番線ではなく、
御所線の到着ホームの4番線に発着する。
ここで追い越される準急阿部野橋行が、御所からの尺土どまり普通の到着直後に入線し、この干渉を避けるため、尺土どまりが慌ただしく引き上げた後に特急が発着するのだ。
ちなみに、往路で述べた2面3線でやりくりしていた頃(1994年まで)を紹介する。
① 現4番線に御所発尺土止まり普通が到着。
② 直後に橿原神宮前行準急が現3番線に到着。この間に尺土止まりが引き上げる。
③ 現2番線を吉野行特急が通過し、同時に現4番線に古市行普通が到着。
④ 現3番線の橿原神宮前行準急が発車。
⑤ すぐ現3番線に阿部野橋行急行が発着
⑥ 引き上げていた車両が尺土始発御所行として現3番線入線
⑦ 現4番線の古市行普通が発車し、その直後に現3番線の御所行が発車。
⑧ 現4番線に御所発尺土止まり普通が到着
⑨ 現2番線に普通橿原神宮前行が到着。この間に尺土止まりが引き上げる。
⑩ 現3番線から急行吉野行が発着し、ほぼ同時に準急阿部野橋行が現4番線に到着
⑪ 急行吉野行の発車直後に阿部野橋行特急が現3番線を通過。
⑫ 現2番線の橿原神宮前行普通が発車し、現3番線に引き上げていた車両が尺土始発御所行として入線
⑬ 現4番線の阿部野橋行準急が発車した直後に現3番線の御所行が発車。
これを30分周期で繰り返す。
⑦~⑧、⑬~①間は6分ほどあるが、それ以外は分刻み。
現3番線は阿部野橋方面本線だが、
上下電車が秒刻みで行き来していたのだ。
尺土を出ると、約30分、終点の大阪阿部野橋までノンストップ。
おじいちゃんと孫と思しき2人がDXを覗く。
「お金が高い分、デラックスシートは3列しかなくてゆったりしてて、だれものってない
じゃろ?」(乗ってるし…)
最後のゆったりを味わって、大阪阿部野橋に帰り着く。
ただ、DXに関しては、若干の不満が残ったので、
改札口のご意見ボックスへ。
そのまま、あべのハルカスで時間をつぶし、
ミナミで友人との宴席へ。
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