サイキョージ氏の「大人の休日倶楽部-2013夏」その2
6/30(日) 本八戸→久慈→二戸→仙台→高城町→陸前小野→石巻→小牛田→古川→仙台→利府→仙台→あおば通
本八戸駅は高架駅である。
以前は貨物扱いもあったのかホームは長い。
7:22発久慈行きの気動車に乗る。
八戸線は昭和時代に作られたキハ40系が運用されている。
盛岡地区の車両と比べればJR東日本の冷遇が見てとれる。
八戸線は鮫駅をすぎるころから風光明媚な海岸線を走る。
観光路線で売り出しても十分見どころがある。
階上~久慈間は3.11の津波に線路や鉄橋を流され長らく不通であったのだが地元自治体の強い要望もありJRが復活させた区間である。
路床を見てみるとバラスは新しいものが混ざり、レールも一部交換されたと思われる。不採算路線ゆえJRはバス路線に転換したかったのだろうがよくぞ復活させてくれたものだ。
久慈駅着9:22。
久慈は岩手県北、三陸の中心都市で三陸鉄道北リアス線の乗り換え駅である。NHK朝ドラ「あまちゃん」のロケ地になっていて観光客も多く見受けられる。
北リアス線の被害状況は三陸海岸沿いを走る鉄路のなかでは、まだましなほうで田野畑~小本間のみが不通のままであるが代行バスを挟んで宮古までの運行が確保されている。
なんとか国の予算で復興させてほしい。
微力ではあるが久慈駅内で三陸鉄道復興を応援するおみやげを買った。
久慈からはバスで北上山地を越え内陸部の二戸に向かう。
JR東北バス「スワロー号」が八戸線の到着列車に接続していて二戸駅で「はやて」と連絡するダイヤを組んでいる。
久慈駅9:30発のスワロー号は乗客5人を乗せ二戸へ向かう。
途中で乗ってきた人は1人だけで乗客はすべて二戸まで行く客であった。
バスは国道281号と県道を通り、道の駅「おりつめ」を経由して二戸駅に70分で到着。高速道路は走らないが車内は高速バス仕様で座席もいい。
道路状況も良く快適なバス移動であった。
また大人の休日倶楽部の会員パスを見せると運賃を1割引の1,350円にしてくれた。
二戸着10:40。
さて次も3.11で被害を受けた仙石線を乗りに行く。
二戸発11:10はやて30号に乗り、仙台をめざす。
仙台着12:25、
ここで満員だった車内の半分の乗客が入れ替わる。
仙石線のホームは地下にあり都会の地下鉄の雰囲気だ。
高城町行きの快速まで時間があったので始発のあおば通駅まで行ってから快速に乗ることにする。
あおば通12:57発高城町行き快速に乗る。
途中東塩釜までは複線化され都市近郊区間で利用客が多い区間であることがうかがえる。ほどなくして海岸線が見えてくると電車は松島海岸駅に到着する。
この付近は仙石線と東北本線が併走する区間である。
電車が松島海岸に着くと乗客のほとんどが代行バスに乗り換えるために降りてしまった。
車両に残された私は不安になったが当初の予定通り高城町まで行って松島海岸から来る代行バスに乗ることにした。高城町で下車して駅前から代行バスに乗れると思っていたのであるが、駅前にはバスが入る場所がない。駅員に聞くと代行バス停は駅から徒歩10分かかるという。バスの発車時刻を見るとあと10分しかない。乗り遅れると乗りつぶしができない。
覚悟をきめてバス停までの500mをかけっこをした。
息を切らしながら、やっとのことでバス停を発見。
そこには3人のバス待ちの人がいた。
まもなくバスが2台続けてやってきた。
ここから不通区間の陸前小野駅までバスに乗る。
バスから見える仙石線の不通区間は架線がはずされ、
線路は夏草が伸び放題であった。
不通区間は津波の影響を受けないよう山側に線路を移設する計画だそうだ。
その工事も始まっていた。
バスが野蒜駅に着くとホームが震災のまま残っている。
3.11に野蒜駅を出発したあおば通り行きの電車が津波に流された場所の近くをバスは走る。
折しも野蒜小学校で地元住民による街作りの決起集会が開かれていた。国道45号沿いの陸前小野代行バス停で降り、少し歩いて陸前小野駅にたどり着く。
駅舎は新設され、震災の面影は見いだせない。
駅には売店があった。
パートのおばさんが常駐しキップも売っている。
今は1日5本しか電車は来ないが駅員がいるだけでホッとする。
マルスはないが定期券や乗車券などの購入にけっこう地域の人が利用するそうだ。私も入場券とオロナミンCを買い求めて電車が来るまでおばさんと話をした。
おばさんによるとこの駅は震災のとき大人の背丈ほどの海水が流れ込み、駅舎はがれきであふれていたそうだ。駅裏は水田になっている。
今年は土壌を入れ替えして震災後初めて田植えがなされたそうだ。秋の収穫を期待したいものだ。
陸前小野駅に入線してきたのは電車ではなくキハ110系の気動車であった。津波で変電所が壊れたままになっているためだという。
たとえ変電設備を修理して陸前小野~石巻間に電車を運んで走らせても非電化区間や交流電化区間に挟まれた直流電化区間であるので電車では車庫まで自走することができないから気動車での運用が妥当なところか。キハ110系は「奥の細道」のロゴが入った陸羽西線用の車両が運用されていた。
陸前小野14:41発の気動車に乗り石巻着15:01。
石巻は石森正太郎の出身地で駅にはマンガのフィギュアが飾ってある。
マンガの主人公をラッピングした気動車「マンガッタンライナー」も見られた。
ここで石巻線に乗り換えて小牛田まで出た。小牛田着16:04
小牛田駅に到着すると駅のホームが騒がしい。
人もいっぱいいる。何事かと思いきや、この日は仙台~小牛田間にイベントSL列車C61が運行されて小牛田駅内で機関車の入れ替え作業中であったのだ。
陸羽東線の乗り換え時間にSLの入れ替え作業を見られたのはラッキーだった。
陸羽東線で古川まで出て東北新幹線はやて110号で仙台まで戻り本日の最後は利府支線を乗り潰す。
仙台発17:51の利府行き普通電車に乗る。
途中の新利府駅は東北新幹線の車両基地の最寄り駅である。在来線の車庫もある。間近にE5系のはやぶさやE6系のこまちが見られた。
この駅は新幹線や在来線の乗務員交代のために作った駅ではなかろうか。JR西日本でいうと博多南駅みたいな感じだ。利府駅で同じ電車で仙台まで引き返した。
ホテルはあおば通駅上なので再び仙石線に1駅だけ乗ってホテルへチェックインした。
夕食は近くの海鮮居酒屋でとる。
店自慢のホヤを勧められたので注文する。
以前、釜石の呑兵衛横丁で食べたホヤを思い出した。
あのときの味と同じように身に臭みがなく日本酒に良く合った。
仙台といえば牛タン。
前に来たとき時間がなく食べそこなったので今回はゆっくりと味わってタン塩焼きを食べた。酒は塩釜の「浦霞」を飲んだ。
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