2013年5月の鉄旅 その1 偶然の出会いと乗車券の怪
合宿研修の候補地の視察で
富山市内の某所に行くことになったのだが、
どうせサンダーバードは混んでいるし、乗り飽きているし、
ただ行くのではつまらないので、高山で美味いものを食うか、
飛騨エリアの温泉に寄るかを検討し、
ひだ25号に乗って、高山で飛騨牛を食すことにした。
前日の法事の帰りに、高槻駅でそのきっぷを調達。
対応が初々しい若い女性の係員だった。
乗車券を京都市内→富山(岐阜から高山線経由)と
富山→京都市内(北陸線経由)に分割しようとしたので、
経路が往路と復路で違うし、
通過駅折返し特例が京都~山科間は認められており、
山科は京都市内にある駅で運賃計算の経路としては除外でき、
乗車券の距離が200キロを超えるため、
京都市内から京都市内までで、
経路が重なるところは起終点の山科駅のみで
経路自体は一筆書きになり、重なるところはないので、
片道乗車券でいい旨を指摘した。
(ちなみに、京都駅で一度チャレンジしたら、
サンダーが満席でしらさぎしか取れなくて、
やはりきっぷを分割され、
京都市内発着の乗車券に山科~京都間の180円が必要と
虚偽の説明をされ、わけのわからない対応をされたため、
窓口に並ぶ前に
お客様センターの運賃料金問い合わせに聞いたら、
しらさぎを使うなら米原で分断しなければならないという、
これまたわけのわからない答えだったので、
上席に確認を求めたところ
片道乗車券で問題なく乗車できることを確認できたのだが、
ぼったくられる危険を感じたので
京都ではきっぷを全く買わなかった。
高槻に戻ってからきっぷを買うと、
サンダーにキャンセルが出たらしく、とることができた)
すぐに彼女もそれに気がついてくれたので、
乗車券の発券は比較的スムーズだった。
5月5日(日・祝)
朝、京阪間の地元の駅から京都に移動。
京都からひだ25号に乗車。
・ひだ25号( 京都 8:34 → 高山 12:13 )
新快速が混雑のためやや遅れ気味なのに引きずられ、
やや遅れて列車は到着。
車両はキハ85系モノクラス4両。
所定3両だが、キハ84が1両増結されている。
2号車だけが自由席だが、
京都の段階ではまだ空席が少しある。
指定席はまだガラガラだが満席なので
自由席から指定席の変更は不可という放送があった。
急行たかやまの時代は95㎞/hしか出せず、
新快速に無様に追い越されていたが、
特急化されキハ85に置き換わった今は
最高速度120㎞/hで運行される。
最高速度は新快速のほうが10㎞/h速い130㎞/hだが、
草津までの通過駅は膳所と瀬田だけなのに対し、
こちらは草津までノンストップなので、
4分前に京都を出発した内側線走行の新快速を
石山付近で追い越す。
草津では数えるほどしか乗車はなかった。
草津までは複々線だった琵琶湖線も、
草津線が分岐してここから複線になる。
近江八幡あたりまでは快走していたが、
能登川を出ると先行列車に引っ掛かり減速。
米原では4分遅れになる。
ここで運転士、車掌が
JR西日本からJR東海にそれぞれ交代し、
新幹線からの接続客と思しき乗車が大量にあり、
乗車率が一気に上がる。
その乗客の中に…あれ?
どこかで見たことのあるご夫婦が…、
なんと、サイキョージ氏ご夫妻ではないか。
同じ車両のうしろに座られた。
話を伺うと飛騨古川で昼食をとり、富山地鉄に乗って
今日は宇奈月に泊まられるとのこと。
というわけで、
ここから最初の目的地である高山まで
サイキョージご夫妻と同行することになる
(サイキョージ夫人、ごめんなさいね…)。
ご夫妻の検札直後に、お互いの行程を、
きっぷを突き合わせて確認したら…
おんやぁ?! なんかおかしい。
京都~米原間が新幹線か在来線かと、
富山地区で1泊するかしないかの違いと、
高山線内で途中下車する駅が高山と飛騨古川の違いはあるが、
それぞれ昼食をとったあとは、ともに
後続の富山行のひだを利用しての高山線経由で富山に入る。
富山でそれぞれ途中下車してそれぞれの次の目的地に行く。
京都から富山までの片道切符の有効期間内に
富山駅に戻ってきて、京都へ戻るときは
サンダーバードを利用する。
なので、乗車券の起終点と経路がまったく同じ。
発券してもらっている駅も、小生は高槻、サイキョージ氏は島本。
同じ路線の隣の駅で、しかも、島本駅は高槻駅の管理下にある駅だ。
それなのに、このとおり。(写真)
持ってる乗車券が違う!!
思わず、私もサイキョージ氏もカメラを出してきっぷの写真をパチリ。
それがこの写真。
写真の上の2枚が、
サイキョージ氏のもの(ご夫人も同じものをお持ち)で、
往復で経路が異なるが、
経路が重複する区間がある際に発券される、
2枚1組の「連続乗車券」といわれるもの。
なぜか、通り抜けるだけの、
山科の1つ手前の大津京駅で分割されていて、
大津京から京都までの2駅だけの乗車券がついている。
一番下の1枚が、小生が前日に購入した片道乗車券である。
ちなみに、先述のとおり、
小生の持っている片道乗車券が正当なものである。
有効期間は1日延びるものの、たった20円だが運賃が違う。
ちなみに、小生は
京都市内と北陸地区と首都圏の三角移動をするときに、
よくこの移動をするのだが、同じ理屈で
京都市内(山科)を起終点にした片道乗車券同じきっぷで
乗車券はOKなのだが、これを分割され、
連続乗車券にされてしまうと、分割の仕方にもよるが、
3000~4000円の誤差が運賃だけで出てしまう
(片道乗車券だと有効期間が7日間で14000円台だが、連続乗車券にされると、有効期間は1日延びて8日間になるが、合計で18000円前後になってしまう。たいていは9日もかけて移動しない)。
何でこんなことになったのか、サイキョージ氏に伺うと、
島本駅で国鉄世代の年配の男性係員氏に
「京都駅から京都駅に戻ってくるのに、山科駅を2回通るから、山科駅の手前で乗車券を分割しなければならない」
とあらぬ説明を受けたそうだ。
後ろに並んでいたし、差額が20円なので
抗議する気も失せたとのこと。
この係員の説明、意味わからん。
そんな話をしている間に、いつの間にか
列車は大垣を過ぎてしまい、
名古屋からのひだ5号飛騨古川行と連結される岐阜に到着。
場内信号に引っかかることなく3番線に入り、
右側のドアが開く。降車だけをすますと、
運転士と入れ替わりに作業員が乗ってきて、
4号車で連結準備を始める。
慌ただしくドアが締められ、
列車はわれわれ乗客を乗せたまま
引上げ線にいったん引き上げる。
(名古屋方面から岐阜を終点にする列車が折返して、岐阜始発の名古屋方面行になって折返すときに、降車後いったん引きあげて、転線する際に列車が待機するための行止まりになっている線路)
その間に向かいの4番線に名古屋からのひだ5号が入線する。
こちらはキハ85-200番台を2両増結した5~10号車の6両編成で、
ここで進行方向が逆になる。
こちらも、ひだ25号を受け入れるため、
岐阜で降りた運転士と入れ替わりに作業員が乗り、
5号車側では同様に連結作業の準備が整えられているはずだ。
ひだ5号の準備が整ったら、
ひだ25号は徐行で今度はひだ5号が待つ4番線へ。
連結のかるい衝撃とともに停車し、再度乗車のために、
今度は左側のドアが開く。
JR東海の在来線は追突防止のためか、
駅の手前の場内信号でいったん列車を止めてから
誘導信号に従って最徐行で駅に進入して直接列車を連結させるシステムを導入していないので、
国鉄時代から変わらぬ、むかしながらの、
この「入換作業」という手法で両列車を連結しているのだ。
岐阜でも大量の乗車。
その間に大阪発の4号車と名古屋発の5号車の間で行き来ができるように通路を整える。あわせて10両編成になった列車が満員になるとともに、遅れは拡大してしまう。
自由席は2号車と7号車の2両だけしかない。
列車は岐阜から東海道線の上りの線路をくぐって、
単線非電化の高山線に入る。
最初の停車駅は鵜沼。
名鉄の新鵜沼駅が併設されている連絡駅だ。
昔は鵜沼駅の高山側で名鉄から合流する短絡線があって、
この線路を使って「北アルプス」という名鉄特急が運行されていた。
廃止されてからこの短絡線は撤去され遊歩道になっている。
サイキョージ氏と
「なんかもったいないなぁ」とため息をついた。
美濃太田を出ると飛騨川の渓流。
景色がきれいなところに出る。
高山以南は山側のほうが景色がいいので、
窓側でも、岐阜を背にして進行方向左側を指定して
購入されることをおススメする。
紅葉の時季が一番きれいだ。
白川口では5分停車し、
普通列車とともに上りのひだ6号の通過を待つ。
途中の下呂は有名な温泉地で、小生もここで風呂と昼食、
とも思ったが、時間が若干早い。
一つ手前の焼石駅からこの下呂までの区間は、
とくに駅間が長いため途中に信号場があり、
その付近に高山線では有名な撮影スポットが続く
(1か所飛騨川を渡る鉄橋があるのだが、ここが一番有名)。
サイキョージ氏が思わず
「うわ、ぎょーさんここでおりよるわ」
とおっしゃったように、下呂でかなりの客が降りてしまう。
高山線内の停車駅は、急行たかやま時代と全く同じで、
白川口、飛騨金山、下呂、飛騨萩原、飛騨小坂…と
こまごま停まっていく。
途中、渚駅でひだ8号を待たせて交換。
とどめに久々野にも停まって、
分水嶺を越え列車が下り始めると高山。
7分遅れのまま2番線に到着。
ここで大阪からのひだ25号は切り離されるため、
サイキョージご夫妻はひだ5号の8号車に移動。
お互いこの後の旅の無事を祈りご夫妻とあいさつをかわして
そのまま地下道をとおり高山で途中下車。
駅前の「Black sea(黒海)」という店で、飛騨牛カレーでランチ。
これにサラダとコーヒーまたは紅茶がついて1400円也。
(カレーの写真)
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