Dr.Kの特急ミシュラン File18 南海電気鉄道 50000系 ラピート
特急ミシュラン - Michelin Express – File18 Series 50000 “rapi:t”
南海50000系 ラピート 総合評価 ☆☆
1994年に開業した関西空港へのアクセスは、JR西日本と南海が担当することになったのだが、これにあわせて誕生。「鉄人28号」という異名のいかつい電車。
アメニティ:☆☆
6両編成で4両がレギュラーシート(普通車:シートピッチ1030㎜)、2両がスーパーシート(特別車:シートピッチ1200㎜)。トイレは3号車と5号車にあるが、身障者対応席がある3号車のトイレが5号車のレイアウトと同じなのはいかがなものか。
スーパーシートはあろうことかヒョウ柄。3列シートの1200㎜のピッチは広々としていいのだが、楕円形にこりすぎたのか、実用性という意味では若干の難がある。
室内の明るさも確保され落ち着いた雰囲気…といいたいところだが、車体の形の楕円形がそのまま客室内も楕円形なので、私は意外と圧迫感を感じてしまった。
テーブルまでもが楕円形で、大きさが小さすぎて、近鉄のISE同様、使い勝手はあまりよろしくない。
レギュラーシートはグレーベースにオレンジ色のアクセント。座席背面についているポケットは開口が狭いため、PETボトルを入れるのは難しく、これも中途半端。
人的サービスがなくなったため、スーパーシートへの乗り得感はちょっと減った。
落ち着いたデザインにしておけばそれなりに使い勝手がよかったのだが、空港連絡に用途を限定したためいろいろな意味で遊びすぎていて、落ち着いて乗るにはやや難がある。
特急として座席などは及第点の設備は整えていて、荷物スペースがデッキ内にあるなど、設備面で工夫が見られるだけに惜しい。
経済性:☆☆
6両編成6本が在籍。空港連絡に特化しているため、固定編成を組まざるを得ず、一般車との連結で本線特急にも間合いで使うといった使い方ができないため、最大限の本数を持たざるを得ない。
そういう意味では、速達αと主要駅停車タイプのβで、βはサザンと共通運用ができるような、それこそサザンプレミアムのような車両でよく、空港連絡をアピールしたい便にラピートが運用されるようにしておいたほうが、現状ガラガラであることもあって得策だったように思える。
JR西の「はるか」の設定にしてやられた感が残る。
利便性:☆☆☆
現在は30分間隔での運転をベースにしており、サザンとともに泉佐野までは15分サイクルが確立されているため、わかりやすいダイヤにはなった。岸和田で区間急行または急行を追い越す特急誘導ダイヤにしている。
ときめき度:☆☆☆☆
やはり個性的なビジュアルは魅力。だが、平行路線のライバルはるかが、直通できる強みをフルに生かしているためか、難波などのミナミ界隈に行く以外の利用客はごっそりはるかやバスに持っていかれてしまっている。はるかが3月からB料金化するので、より手ごわくなった。
今後の改善案としては、ラピートにもサザンプレミアムを一部充当して自由席連結の空港特急もありかと思う。また、リニューアル時は、使わなくなったサービスコーナーと荷物室のスペースを有効利用したうえで、スーパーシートを1両に減じて、サザンと車両を共通運用にして、紀州路快速のサービスダウンとFile1で述べた妥協型特急車287系投入に乗じて、サザンプレミアムとともに全席指定の特急にラピートをうまく活用して和歌山市への観光アピールに使うのも一考かと。
空港特急だけに使うのは、今の乗車率を考えるとあまりにも非効率。
本線特急と一体化した包括的な改善が必要。
鉄道車両写真集
10000系 「サザン」 50000系 「ラピート」
12000系 「サザンプレミアム」
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