Dr.Kの特急ミシュラン File07 北越急行 683系8000番台「はくたか」
特急ミシュラン - Michelin Express - File 7 Series 683-8000
北越急行 683系8000番台 総合評価:☆☆☆
アメニティ:☆☆☆☆
683系はそもそも681系の増備車として、インバータ制御装置のIGBT化や編成の自由化(ユニット制約の緩和)等、時代のニーズに合わせてマイナーチェンジされたもので、681系と編成単位で併結することを前提に開発された車両だ。
JR西日本に2本、JR東日本に1本(3000番台)残る485系が160km/h運転時の高速化の足枷になっていたため、これを置き換えることになったのだが、JR西日本は683系をサンダーバード(以下サンダー)に投入し、それによって元々160km/h対応化されている681系を捻出してはくたかに転用したが、JR東海がサンライズ用の285系3000番台を所有しているように、JR東日本は、他社(JR西日本)が開発した681・683系をこれだけのために所有することをよしとしなかったため、北越急行がJR東日本の485系9両1編成分の車両増備を負担し、JR東日本持ちのはくたかを北越急行車両を使用することとし、JR東日本が北越急行に車両使用料を支払うことにした(実際は、はくたか用の全編成が共通運用されている)。これによって導入されたのが、683系8000番台で、基本6連、付属3連各1本ずつ、9両しかない。
1号車のグリーン車は1160mmピッチのブラウン系モケットの3列シートが12列並ぶ。
2~9号車は970mmピッチの普通席で、奇数号車がピンク系、偶数号車が青系のシートになっている。
1両あたりの重量を平均化するため便洗設備はすべてT車にある(水タンク+汚物タンクの重量があるため)。はくたか用の681系では4号車の売店スペースだった部分がサンダーバード同様車販準備室と車掌室になったため、3号車の車掌室部分のスペースにデッキと1列分の座席が増設されているのも含め、内装そのものはサンダーバードの683系0番台とほぼ同じ。特急にふさわしい設備を持っている。
今後リニューアルする機会があれば、モバイルコンセント設置等さらなるグレードアップを期待するところだ。
惜しむらくは、160km/h対応ゆえ機密性がよすぎてデッキの匂いが車内に流れ込むことと、681系では非貫通流線形だった9号車が貫通型先頭車になっているため、北越線内でのトンネルドンがでかいことだ。
経済性:☆☆☆☆
ほくほく線内での運転を前提としているため、最高速度は160km/h。
これが、唯一JR西日本の683系一族と違うところだ。
JR西日本の683系は0番台、2000番台、4000番台、いずれもほくほく線での運用は
ないため、160km/h運転対応装備(以下、ほくほく装備)は省略され、準備工事となっている。これにより、JR西日本の683系のM車の車号は原番+1000になっているのだが、この北越急行の683系8000番台は、ほくほく線内での160km/h運転が前提でしっかりほくほく装備があるので、683系で唯一、M車の車号が原番どおりの8000番台になっている。
当然だが、自社の681系2000番台はもちろん、JR西日本の681系、683系とも、ほくほく装備の有無は関係なく編成単位で併結が可能(もちろん、ほくほく装備のない車両と併結している場合は、当然だがほくほく線での160km/h運転はできず、最高速度は130km/hに制限される)。
これにより、はくたかで運用されるすべての車両が160km/h対応車になり、はくたかの速度が揃ったため、運用に柔軟性が増し、サンダーも含めて、予備車を共通化できるメリットが最大限に生かされた。
しかし、後にサンダー用の最新バージョン4000番台が9両貫通で登場し、京都が受け持っていた雷鳥用の485系10本を一掃したのだが、4000番台は金沢に投入され、元々あった6+3両の681系、683系0番台を京都に転属させる玉突きをしたため、せっかく共通化された予備車をサンダー用と別々に確保しなければならず、683系4000番台を2本増となる12本導入することになった。廃車した583系の数も合わせれば数は合うが、運用効率は下がっている。これで☆-1
これの改善(というより、こうしとけばよかったのに)案は、次回、JR西日本の681系・683系の項で述べることにする。
利便性:☆☆☆
越後湯沢での新幹線接続に最重点を置いたダイヤ設定であるため、首都圏からの移動を考慮した場合、本数も充実している非常に便利なダイヤだが、ほくほく線が単線でその
有効長が10両で繁忙期に9両以上に増結ができないことと、あまりにも越後湯沢での接続に重きを過ぎたせいで、本数の割にはくたか同士のほくほく線内での交換が多いことと、金沢での福井方面へのサンダー、しらさぎへの接続が一定しないのがマイナス要因。
新潟まで雷鳥が足を伸ばしていたことを考えると、大阪~新潟(直江津)間、名古屋~富山は埒内乗継を認めてもらわないと、異様に高くなってしまう。
ときめき度:☆☆☆☆
見た目が派手だが、北越急行車は数が少ないため、9両すべてがなかなか北越急行車で揃わないのだが。これを楽しみにしている人も少なくない。
北越急行のHPで運用が公開されている点も見逃せない。
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