今回の旅のスタートは、
昨年夏のスカイアクセス乗車時と同じく、
大阪駅11番線から0:34発、「サンライズ瀬戸」。
サンライズ瀬戸・出雲(以下サンライズ)の東京着は
所定7時8分、9番線着。
新幹線でも間に合わなくはないのだが、
新大阪6時の朝一「のぞみ」は厳しすぎるのと、
東京駅で朝食を確保する時間がほしかったので、
今回はサンライズを選択。
サンライズは2分遅れで入線し、
大阪からの乗客を乗せ慌ただしく発車。
指定された寝台に入って就寝準備。
茨木駅付近で車掌が検札にやってくる。
ちなみに私の平日の起床時間は5時半。
当日は土曜日だが、GWで曜日の感覚がくるっていて、
体がこの時間を覚えているのか、
目を覚ましてしばらくすると三島を通過。
時刻は5時32分。
我ながらお見事な起床。
何とも言えない複雑な気分で目覚める。
小用を足し、その帰りに水を購入し、
それを飲んで丹那トンネルを出たところで二度寝。
横浜着前のおはよう放送で身支度をはじめた。
京浜東北線の大森を通過すると、
車掌による東京駅での乗換案内がはじまる。
「山手線、内回り上野、池袋方面は4番線、
外回り品川、渋谷方面は5番線、
京浜東北線赤羽方面は3番線、
折返し蒲田方面は6番線、
中央線は1、2番線、横須賀線、総武線…」
このあたり、京葉線の案内まではとってもまとも。
しかし…、新幹線の案内になると…
「東北新幹線はやて・こまち15号、新青森、秋田行は
7時32分、22番乗り場から…」って、
おい!!! それ、時刻表の掲載通りやんけ!!!
いつから通常ダイヤ戻ってん!!!
思わず、自分の持っている新幹線特急券を確かめた。
実は、震災後の東北新幹線に乗るのは今日が2度目。
山形新幹線とあわせて福島まで復旧したのを受けて、
4月25日に今日と同様、
サンライズ利用車中泊で会津に出張した際に利用した。
この時も、車掌は通常ダイヤで乗換案内をしていた
のを思い出した。
ちなみに、仙台まで復旧したのはこの日だったが、
暫定ダイヤを直前にいきなり白紙改正され、
情報も情報格差や首都圏から離れた遠隔地
ということを全く考慮にいれず、
タイムリーと言うには程遠い(というより、
問合せ、苦情が殺到するのをかわす意味で
プレス発表をメールサーバのメンテナンスの日程に
意図的にぶつけたとしか思えない)もので、
親友のショコラ氏とインディゴ夫人の結婚式で
東京を訪問した時に、
郡山まで指定を取っておいた「つばさ」をほぼドタキャンされ、
無手数料で払い戻すから改めて切符を買い直せと
いうひどいものであった。
4月4週目の通常期の日、それも月曜日ということを考えれば、
当日の朝、出発直前で指定がとれるわけがないじゃないか。
利用客のことを考えれば
事故変ではなく事故列変で取扱うべきだ.。
(事故変ならば、変更前と変更後の切符、
つまり指定席と自由席の差額510円だけしか戻らないが、
事故列変ならば、運転しなかった「つばさ」の
東京~郡山間の特急券4,080円の半額、2,040円が返ってくる。
その差、実に1,530円。
ちなみに、事故変は時刻表の案内ページに記載があるが、
事故列変は記載がなく、
JRグループの約款に相当する営業規則にしか記載がない。
JR東日本は、営業規則はこちらが申し出なければ
閲覧させてはくれないので、
その存在自体知らない客も少なくない。
まさにこの盲点をついているといえる)。
JR東日本も東日本大震災の被災で
大変な状況なのはわかるが、
こんなときまで客から少しでも金を搾り取ることに執着するのか、
と思った次第だ。
切符を売ったからには、責任を果たせ
(仙台まで開通することでダイヤが変わるなら、
発車時刻が変更になったものとして売った切符を扱い、
それで不都合があるなら払戻しをすればいい)といいたい。
さらに、帰りは停電でダイヤがぐちゃぐちゃで
東海道新幹線の乗継がうまくいかず、
買い直した切符をさらに、
それこそ事故列変の対応を新大阪駅でしてもらうことになった。
16年前の阪神・淡路大震災の時もそうだったが、
徐行区間が多く痛々しいものだったが、
新幹線を利用できる喜びは感じたものだ。
この会津出張も3月の震災翌週に予定されていたもので、
震災で延期になったものだ。
暫定ダイヤでは、7:32発は通常7:44発の
各停「やまびこ」が12分繰り上げられ、
新青森行「はやて、こまち」の速達便は、
間引かれている仙台はやての7時56分という時刻に移り、
列車名も「はやて・こまち119号」に変更されているが…。
GWのしょっぱなに上記の煮え湯を飲まされているだけに、
車内放送に対しては耳がダンボになっているが、
どちらが正解…?
東京には定時に9番線に何事もなかったように到着。
親子連れの乗車が意外と多かった。
下車後すぐ、9番線にいたJR東日本の駅員に問いただすと、
あっさり「東北新幹線は現在、4月29日、
全線復旧時の暫定ダイヤで動いている」とのこと。
サンライズ出雲の車掌長がウソを言っていることが判明。
4月25日も同じ内容の放送だったので、
GW期間中ずっとウソの放送をしていた
と思ってまず間違いない。
地元に戻ってすぐJR西日本に抗議した。
(サンライズ出雲はJR西日本米子支社の車掌が全区間、
サンライズ瀬戸は高松~児島はJR四国、
児島~東京間はJR西日本岡山支社の車掌が
それぞれ乗務している。車掌長は出雲側に乗っている。)
約1時間半の待ち時間の間、
東京駅をくまなく回り、撮り鉄にいそしむ。
はやぶさ501号 東京8:44 → 仙台 10:50
JRグループダイヤ改正、
九州新幹線全線開通当日の3月12日、
九州新幹線の開業記念乗車に混じって、
はやぶさ5号で念願のグランクラスをとれたのだが、
東日本大震災で仙台を訪問
(この時のコンセプトは、
1日で2つの「せんだい」駅を新幹線で通ること)
できずじまいで、今回の仙台訪問になった。
はやぶさは3月5日から走り始めた最新鋭E5系。
はやぶさのデビュー翌日、3月6日に仙台を訪問した時以来、
今回が2度目の乗車になる。
仙台からのはやぶさ502号の折返しとなるため、
到着後いったんドアが閉まる。編成は第3編成。
GWも終盤で、繁忙期が終わり
通常期に戻って安く移動できるので、
馬鹿鉄のみならず家族連れなども撮影に殺到。
フラッシュの嵐。
E5系はJR西日本の500系ばりに先頭部が長いため、
客室の編成側にしか満足なスペースがとれないのを
逆手にとり、
新青森側の先頭車である10号車にグランクラスを設定した。
グリーン料金よりもさらに5000円高い。
さて、それだけの価値はあるものか…?
デッキは運転室直後にしかなく、
編成側車端は「はやぶさ」のロゴマーク。
その後ろはアテンダントの準備室になっている。
指定されていたのはA席で、1人がけ。
B、C席は2人がけになっている。
横3列×6で1両の定員わずか18名。
局長氏も仰せだったが、
国際線のファーストクラスを意識したものだな、
というのがよくわかる。
もちろん満席で、
客層は新青森開業時と同じ感じで、
サイキョージ氏と同じくらいからそれよりも少し上といった、
見るからに大人の休日倶楽部の年齢層の熟年夫婦5組、
家族連れ1組、残りは1人利用といった感じ。
定刻に発車直後、どのくらいの撮影陣がいるのか
とホームに目を向けると、
通路をはさんで座っている夫婦がフラッシュ撮影。
これがモロに目が入る。
アテンダントのお嬢さんがやってきたので、
思わず怒鳴りそうになるのをぐっとこらえて
彼女を呼び止め、デッキで話を聞いてくれ、と伝えたが、
デッキに出てきてくれない。
なぜ「デッキ」なのかを読んでくれないかな…。
(いくら道中の接客サービスでの言葉遣いなどが丁寧でも、
後述するが「気配り」という意味では大いに不満)
仕方なく彼女らの控室のある逆のデッキまで行って話をする。
向かいの熟年夫婦のフラッシュ撮影が眼つぶしになるし、
これを走行が軌道に乗ってウトウトしている時に
やられたんじゃたまったもんじゃない。
能登ラストランや500系ラストランの時と同じ、
「撮影マナー」について呼びかけてほしい旨を伝えた。
上野を通過し地上に出たところで
お嬢さんが自己紹介とともに、撮影マナーについて言ってくれたが、
こちらが言わなければそれを言えないようではダメ。
厳しいようだがこういうところが
やはり国際線のCAとの差だな、と思う。
その後、おしぼりが配られ、
ドリンク、軽食などのオーダーを専属のアテンダント2名が
乗客ひとりひとりきいてくれる。
ここで洋軽食と白ワインを注文。
(サンドイッチ、チキン、コールスロー、ポテト、フルーツがついて、
グランクラスの料金内のサービスとして提供される)
ちなみに、軽食は、和と洋の2種類から、
ドリンクはビール(モルツとスーパードライ)、ワイン(赤、白)、
シードル、日本酒、コーヒー、紅茶、緑茶、黒烏龍茶、コーラ、
ミネラルウォーターから選べる。
これらがお茶菓子込みで飲み放題。やるなぁ。
デッキには新聞や雑誌、時刻表などが備わっていて、
自由に読むことができる。
それ以外にも、車販のワゴンは
グランクラスに入ってこないので、そこで販売している品は、
アテンダントに注文すれば届けてくれて、
お代は彼女に渡せばよいシステムになっている。
熟年夫婦のみなさんが注文を聞きに来てくれるので、
続々おかわり、おかわり。
私も、ワインのあとにシードル、
食後に薬を服用するためにミネラルウォーターを追加で注文。
すべて料金内。
デザートにアイスクリームを所望してみたが、
これだけが車販の品なので実費。
なんか、悪い気がしなくもないが、
グリーン料金+5000円だしなぁ。
カシオペアよりも、いい感じであるが、
よく言えばリッチな気分になれるが、悪く言うと成金趣味…?
JR東日本のいや~な一面でもある。
金を自分から出す客は非常に大事にするが、
最低限の金しか出さない客には
サービスする気はこれっぽっちもなし。
先述の通り、いかにして金を搾り取るか、
ということにかなり執着心を持っている、
というのが私のイメージ。
4月25日の対応を一方的に
事故変で片付けるあたりが最たる対応。
車両からして、旧態然とした
485系、185系、E653系、E257系で特急料金を取ったり、
251系やE259系レベルの車両で高いA料金を請求したりと、
金に対する執着心はハンパではない。
251系やE259系が相手なら、
同時期のJR西日本の車両である681系、287系の完勝。
宇都宮までは快調だが、
那須塩原を通過するあたりから徐行区間が出てくる。
区間によっては大宮以南と同じような速度で走る区間もある。
新白河以北は、十分目で追えるスピードで各駅を通過した。
新白河付近で気付けにブラックのアイスコーヒーと
デザート(先述のアイスクリーム)を、
福島駅を通過するぐらいのタイミングで持ってきて欲しいと頼んだ。
なぜ、タイミングまで指定しているのか?
それは、最初の撮影マナーのお願いの対応から、
アンテナが低い、と思ったからである。
車販のバイトを経験していると、
売れるタイミング(つまり、お客様がほしい時)が
だんだんわかってくる。
私が車販で一番よく乗っていた行路の列車は
通常期の平均売り上げが5000円。
自慢じゃないが悪くても倍は売ってきた。
そのツボは売れるタイミング(つまり、お客様がほしい時)
を捉えるアンテナだ。
福島通過というタイミングの根拠はこれ。
私の下車駅は「新青森」「盛岡」ではなく、「仙台」であること。
朝っぱらから酒をあおってるので、
仙台のホームに降り立つ時にスッキリしていたいからである。
白石蔵王では、身支度の時間を考えると慌ただしくなる。
かといって郡山ではまだ早い。間があいてしまう。
私のイメージは、並走する在来線の桑折駅あたりを
念頭に置いているのだが、
これはよほどアンテナの高い人しかわからないので、
その少し手前の福島なのだ。
かくして、まさにその桑折を通過してしばらくすると、
「そろそろお持ちしましょうか?」ときた。
今後、彼女らのアンテナがもっと高感度になることを期待して、
「ちょっと遅いかな…」とあえて苦言を口にした。
3月5日のデビューから1週間たたないうちに
運休に追い込まれ、
ようやくGWに運転再開にこぎつけたはやぶさだし、
仕方ないと言えばそれまでだが、
また機会と金があれば乗ってみたいとは思ったので、
これからステップアップしてもらいたいからだ。
かくして約2時間、
ところどころまだ震災の傷跡の残る仙台駅に到着した。
サービスの水準は決して悪くない。
100点満点で75点と言うところだ。
+5000円の価値は十分ある。
それだけに、本当の意味での「気配り」を
念頭に置いて更なるサービスのレベルアップを望みたい。
気配りをするためには、
彼女らも、サービスレベル以上に
鉄分を濃くすることを重視してこそ、
トータルはよくなるのではないだろうか。
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