Dr`K 2011年3月の鉄旅 その4 九州新幹線 「さくら、みずほ」 乗車記-3月12日-
3月12日(土)
● さくら543号( 新大阪 6:50 ~ 熊本 10:27 )
昨日の地震のため、出発セレモニーは中止となったが、
無茶な撮影する馬鹿鉄はやはり多い。
私は6時15分に新大阪駅に入った。
みずほ601号の時はさぞかし多かったのだろう。
昨日の地震によるダイヤ乱れの余波で、
21番線に滞泊している車両がいるため、
ひかり541号(レールスター)と私が乗るさくら543号は
所定21番線から22番線に変更された。
もちろん満席で、自由席も相当な混雑のようだ。
私もこの列車を、3分割してやっとの思いで座席を確保したのだ。
揺れは少なく乗り心地も上々。
ただ、レールスターも含め、
サイレンスカーのサービスが廃止されたのは痛い。
今回の開通区間への直通客がほとんどかと思いきや、
この列車は、博多まで、
かつての「ひかりレールスター」のダイヤを踏襲しているので、
山陽区間での乗客の入れ替わりが意外と多い。
新大阪~熊本以遠の直通は発売直後ほぼ瞬殺だったが、
3分割したら新大阪から熊本までは確保できたのもうなずける。
最初の区間は新山口まで5号車窓側。
車販は大忙しなのか、新山口まで全く来なかった。
私の隣には私と同世代の
ビジネスマン風の男性が広島まで座った。
窓側の席が確保できれば、
必ずPC電源が確保できるのがありがたい。
この最初の区間では車窓は正直見飽きているので、
昨日までの行程の乗車記を局長に送るべく、
せっせと原稿を書く。
車内で馬鹿鉄やツアー客がフラッシュをたきまくることを除けば、
いたって上々。時刻どおりに新山口着。
新山口では名古屋発の1番列車である「のぞみ95号」の待避のため5分停車。
すかさず馬鹿鉄どもが飛び出していく。
ここで席がかわるので、
車販にありつけなかった私は缶コーヒーを買いがてら
8号車の後ろに行ってみたが、すごい人。
遠慮気味に望遠で警備の駅員のわきから撮影を試みたら、
駅員は、気づいて、しゃがんでくれた。多謝。
新山口からは博多までは4号車の通路側。
隣にはすでに私と同世代のビジネスマンが座っておられた。
話を伺うと今から直方へ出張だという。
彼は私が新山口から隣にすわったことに驚いておられた
(これまでのレールスターなら、新山口で隣があくと、
あとは停車駅が小倉しかないので、まず埋まることは考えにくい)。
彼も開業日だということで博多までを必死で座席を抑えに行った
と仰せだったのが印象的だった。
私も0系ラストランの日は、
大学時代の同期T氏が勤務する新倉敷駅から
ほど近い某所に出張が決まった時は、
それこそ2本のこだまを必死で取りに行った
(しかも保険をかけた)のを思い出した。
そうこうしているうちに九州突入。
日豊線をはじめ、九州管内でも一部津波警報の影響で
動いていない区間があるので
駅の放送に注意するよう促す放送があるが、
具体的にどこが止まっているという放送はない。
早めに教えてくれていれば、もう少し対処のしようがあったのに。
小倉に定時に到着した時、
局長氏、サイキョージ氏と同業の先輩T氏から道中気をつけて、
とありがたいメールが来る。
博多では2分停車。
いったんホームに降りて、次は6号車へ。
いよいよ新規開業区間に突入である。
乗務員もここでJR九州に交代。
自動放送では英語に加えて中国語、韓国語の4カ国語になるが、
一方で車掌の肉声は、
停車駅の到着時刻は新鳥栖、熊本、鹿児島中央のみと簡略化。
乗り心地だが、
博多総合車両所(博多南)を過ぎると、
新幹線にしてはアップダウンが大きく、
建設費を抑えるために線形を悪くしたのがよくわかる。
建設費を抑えるなら、こんなところでケチるよりも、
駅が多いのをどうにかしたほうがいいと感じる。
とにかく、駅間距離がやたら短く。無駄に駅があり、
しかも、その駅の設置場所が「何考えてんの?」
と首をかしげざるをえない。
佐賀県に駅がほしいのはわかるし、
佐賀県の人には申し訳ないのだけど、
新鳥栖は要らない気がする。
久留米は既存の駅に併設して設置できるわけだから、
2面4線にして佐賀、長崎方面への新幹線はここからの分岐で
十分でしょう。
その新鳥栖では先発のつばめ339号と緩急接続をし、
久留米などへの乗換の便をはかる。
筑後船小屋に駅を設置するのなら、
新大牟田も大牟田の市街からあれだけ離れてるんじゃ
二重投資になってあまり意味がない。
それならば久留米や筑後船小屋から大牟田まで
新幹線ダイヤと連携した快速で十分だ。
、
新玉名も温泉に近い現在地ではなく、
玉東町の鹿児島線との交点(肥後伊倉~木葉間)に設置し、
新駅の駅前を整備したほうが、
国道208号がすぐそばを通っていることから
クルマのアクセスにも十分対応できて
使い勝手がいいのではないだろうか。
そうこうしているうちに崇城大学が見えて熊本駅13番線に到着。
確かに速くなったが、
新幹線としては九州が島内にこだわりすぎて
ヘンに八方美人になり、
本州との直通を過小評価しすぎた気がしてならないと感じた。
トータルするとこれだけの時間で熊本に到達できるのなら、
熊本や鹿児島は空港のアクセスがいいとはいえないので、
実際のところ、航空機と十分競争できると感じる。
熊本では撮影とともに、
駅構内のソバ屋で朝昼兼用の食事としてさくらそばにチャレンジ。
---旨い。
しかし、相変わらず在来線側は工事が行われていて、
大阪駅と同様、複雑怪奇。
● みずほ603号( 熊本 10:51 ~ 鹿児島中央 11:36 )
「さくらそば」の余韻もそこそこに、新幹線13番ホームに戻る。
「みずほ603号」での指定席は一番後ろの8号車。
高架からは熊本市街が見える。
川尻を過ぎると在来線をまたぐが、
三角線と分岐する宇土までは完全に並行する。
今日は津波警報の影響で
運転を見合わせている三角線を越えると在来線としばし離れる。
警報が出ているとは思えない八代海から遠ざかるといきなり減速。
新八代を通過する。
対面する在来線特急ホームには、787系が停まっていた。
ゆっくりと通過するため、
カメラを構える鉄チャンが多数いるのがよくわかる。
昨日までの始発駅を通過するのはやはり新鮮だった。
ここからは先行開通区間になり、
トンネルが増えて町が現れると駅、
という状況が繰り返される
当たり前だが、印象は開通直後に乗った時と変わらない。
川内駅のところだけは、
相対式ホームの直後に電留線という特徴的な車窓が見える。
トンネルが続き、それを抜ければ--鹿児島中央駅。
11番線に定時に到着。
13番線には9分前に鹿児島中央に到着した
「さくら543号」がみられた。
在来線は地震の影響で
鹿児島線の川内方面しか動いておらず、
お目当てだった特急「指宿のたまて箱」は運休。
入線すらしていなかった。
鹿児島中央では
馬鹿鉄だけでなく多数の人々が撮影をしていた。
● さくら566号( 鹿児島中央 12:30 ~ 新大阪 16:44 )
往路さくら543号の編成が折返し時間も余裕たっぷりに折り返す。
朝は情報が少なかったため情報を収集し、
地震のため予定を変更して、
この列車で新大阪まで乗りとおして戻ることにした。
幸い新大阪まで通しで指定席を確保することができた。
13番線ホームに上がるとすでに乗車が始まっており、
通路側の隣には新神戸まで乗車した先客氏がいた。
乗車率は50~60%。
鹿児島中央を定刻に出発するとすぐにトンネル。
来たルートをそのまま戻る。
この列車は川内に停車するためすぐにまた減速。
川内ではまとまった数の乗客を乗せ発車。
ここからは熊本までノンストップ。
新八代手前まではトンネルが多く、
特に新水俣を出ると新幹線は肥薩線に近づき
山間区間を回り込むのであまり車窓は楽しめない。
新八代駅が近づくと、下り同様減速し、徐行で新八代を通過。
熊本での乗換案内と運行情報が入る。
往路と違うところは、字幕でのニュース。
明るくなって地震被害がどんどん大きくなっている
という情報が入ってくる。
鹿児島線と合流し熊本に到着。
昼一で行動する人にとってはいい時間帯なので。
熊本からの乗車からの客は非常に多い。
熊本を出ると加速もそこそこにまた減速。
新玉名に停車する。
停車してみて「なんでこんなところに駅が?」
という思いをさらに強くした。
前述のように、
鹿児島線との交点のほうがよかったように思う。
新玉名を発車すると、下り同様、
改めて新幹線にしてはアップダウンが大きく、
建設費を抑えるために線形を悪くしたのがよくわかる。
新大牟田、2面3線の筑後船小屋、
久留米を通過し新鳥栖に到着。
改めて駅間距離の短さと中途半端な規模の駅が多いため、
九州島内の実情ではさくらを散らして
停車させる何か間の抜けたダイヤになっていることを感じた。
新鳥栖から博多はわずか15分弱。
博多、小倉でかなりの客が入れ替わる。
博多からは乗務員がJR西日本になる。
西日本管内に入ると続々と運転見合わせ情報が入ってくる。
この九州との差は何だろう?
16年前の阪神淡路大震災を経験してるか否かの差なのか?
小倉を過ぎると、福山と姫路に停まる以外は
最速便と同じ停車駅で、下り同様、
ここからはかつてのレールスターのダイヤを踏襲している。
往路同様、そこそこの数の客が各停車駅で入れ替わっていく。
カメラの数も、少なくはないが、
午前中のことを考えると減っている。
普段の山陽新幹線の春休み中の土日の状況に戻る。
最後の途中停車駅の新神戸で大きく減り、
6割ぐらいの乗車率で新大阪20番線に定時到着。
ホームには折返しとなる
「さくら573号」の乗車を待つ行列ができていた。
この列車は15分の折返しで
慌ただしく16:59発 「さくら573号」となる。
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コメント
3月11日に「リレーつばめ」の最後の姿を新八代駅に見に行きました。家族連れや女性も多かったです。地震の影響かマナーの悪い撮り鉄も少なく、さよなら式典もなく、地味だけど写真も撮れて楽しめました。
TVでは、始発は90%の乗車率が、他の便は、54%ぐらいと、先行開業時に比べ低かったと言ってました。
地震の影響でイベントがほとんど中止になったことや、
自粛ムードが影響したと思います。
投稿: 熊本のまさくん | 2011年3月19日 (土) 13時59分
そうですね。
上りはほぼぶっつけで新大阪まで
指定が取れましたから。
下りは1日ほぼ無理でした。
787系はまだ働き場所を変えて残りますから、
485系ほどの熱はないんじゃないですかね。
金沢は、残念ながらマナーの悪い目に余る
馬鹿鉄が昨年の能登と時に続き多かったです。
日本海と予期せぬ並びもあったし、余計に。
投稿: Dr.K | 2011年3月19日 (土) 22時04分