夏の鉄旅08 K博士とサイキョージ氏の場合 1日目
時刻表検定名誉博士号をもつK博士のスパルタンな切符の使いようについては、とても常人の及ぶところではありません。(詳しくは「K博士のお正月08」をお読み下さい。)
しかし、フツーの旅人でも、K博士と供に旅すると、彼の実用的な知識は実に重宝で、経済的かつ大変興味深い旅となります。
今回K博士と旅することになったのは、サイキョージ氏。
私にとっては先輩にあたるお方ですが、彼をあえて分類すれば、乗り鉄派-温泉,グルメ属-と申し上げるとわかりやすかろうと思われます。
さて、そんなお二人が、東北を旅するのに選んだ切符は、JR東日本が発行している「土日キップ」。
おおむね宮城、山形両県以南のJR東日本全線に乗車できるこのキップは、青春キップとは違い、特急はもちろん新幹線(東京-熱海はのぞく)も乗り放題。
指定券も4枚までとることができて18000円也という経済的なキップです。
鉄旅に青春キップは欠かせぬものですが、日程的に余裕のないものにとっては、遠出はできません。また何とか日程が確保できても、目的地に着くまで疲れ果ててしまったのでは元も子もありません。
そうなれば、新幹線と(あるいは飛行機などと)併用することが考えられるでしょう。
しかし、そうなれば、やはり高くついてしまいます。
ここで、「土日キップ」です。東北新幹線 東京-仙台 往復で楽々元が取れてしまうこのキップを使えば、鉄旅の自由度は大いにアップします。
ただ、問題が一つあります。当日購入ができないのです。
前日に、JR東日本管内に入らなければならないのです。ムーンライトながらや夜行バスで東京入りしてキップを購入するというわけにはいかないのです。
とはいえ前日(金曜日)に、一日かけて青春キップで、上京するというのも興が削がれます。
それならばと、飯田線経由ということを考えました。
さすがに、気が遠くなるほどの駅が連なる飯田線を青春キップでもって走破することは、大変で片手間でできることではありません。
しかし、豊橋-飯田間のみ特急乗車(「伊那路号3号」)を驕れば、夕方にはJR東日本管内に入り、松本あたりで夕食をすませ、長野でさえ8時過ぎに到着することができます。
どういうマジックか。乗り継ぎ割引となっている特急「伊那路号3号」のキップは、当然コンパートメント。山間の美しい景色を特急で堪能した満喫したお二人は、延々と同じような景色が続く飯田以北の鉄旅(119系普通列車)も余裕で楽しむことができました。
もうひとつ、土日キップの難点として、キップを購入してからでないと指定券を押さえられないという点があります。
夏休みなどの多客時には、結構これは、やっかいです。
今回の予定では、朝、長野から新幹線「あさま508号」で大宮へ向かい、「はやて、こまち7号」で仙台へと向かいます。
「あさま」はさておき、「はやて、こまち」は全車指定です。
仙台からの「こがねふかひれ」号(10時14分発)に乗車するためには、これに乗らざるをえないのです。
事前に指定席情報をチェックしましたが、結構厳しい状況です。
人気列車でもある「はやて、こまち7号」が押さえられるかが、この旅の大きなポイントとなりました。
博士は、これをJR東日本管内最初の駅である辰野駅で、チャレンジします。
とりあえず、松本まで行って、なんてなことを考えてるとエライめに合うからです。
確かに大きな駅には、確実に「みどりの窓口」があり、窓口のマルス自体も2.3台以上用意されています。しかし、それは多くのお客様をさばくためのものであり、大きな駅ほど、並ばされたという記憶がおありの方も多いのではないでしょうか。
実際に当日、松本で夕食をすませたお二人が、みどりの窓口で見たものは長蛇の列でした。
辰野駅では、19分の乗り換え時間があったわけですが、帰りの新庄発福島行きの「つばさ」を除くと、「あさま」も「こまち」も座席位置こそバラバラでしたが、すべてゲットできました。
時刻表には、どの駅に「みどりの窓口」があるかが、ちゃんと載せられています。
さすがは時刻表検定名誉博士。
塩嶺トンネルができて以来、事実上超ローカル線となってしまった中央東線 辰野-塩尻には、ご当地限定の珍車 クモハ123-1がいます。
ロングシートとはいえ、こんな珍しい車両に乗れるのも鉄チャンならではの喜びです。
そして、松本で一杯ひっかけた後は、篠ノ井線で長野へ、
あの姨捨駅で、スイッチバックを楽しめるのも、青春切符ならではの楽しみです。
姨捨駅周辺はは、日本有数の車窓風景として有名ですが、各駅停車ならではのゆっくりとしたスピードで、夕闇迫る長野盆地の美しい景色を満喫します。
初日から、大満足の鉄旅でした。
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