雷雨。停電。箱根登山電車
7月30日 あいにく 箱根の天気は、雨。
早々に、山を下りることにしました。
9時33分発の箱根湯本行きは ラッキーなことに旧型のモハ1形2両編成。
ほぼ、満席でしたが、運転席のすぐ後ろで前面展望を楽しむことにしました。
とはいえ、暗い。
宮ノ下の駅では、交換する電車の撮影を試みましたが、
開放値でも、十分なシャッタースピードを得られないほどです。
オマケに雷まで 鳴り響く中、電車は、しずしずと発車しました。
すると、突然、車内の明かりが消えて、非常灯に切り替わってしまったのです。
アナウンスがあり停電していることが告げられました。
電車は、急勾配を下っていたのですが、そのまま惰性で、信号のあるところまで進み、ゆっくりと停車しました。
運転手さんも、停電していることと、 信号まで死んでいることを告げました。
そして、指令があるまで、動けないというのです。
長丁場になることに備えて、車内の非常灯まで、消されてしまいました。
運転手さんは、雨の中、車外に出て、車止め をセットして来ました。
薄暗い中、時折、雷の光が、車内を照らします。
蒸し暑い車内を少しでも、風を通そうと運転手さんは、乗務員扉の窓を開け、運転席と車内との仕切り窓を開けてくれました。
車内の窓では雨が吹き込んで来て開けられないのです。
しばらくの後、電気が、戻ってきました。
待ってましたとばかりにコンプレッサが、唸りだしました。
今まで静かだった分とても大きな音のように感じられます。
それでも、すぐには動きだしはしません。
やはり、指令を待っているとのことです。
指令が来ました。「次の信号所まで、進め。」です。
せいぜい20分程度で電車は動きだしました。
10時過ぎとは思えない、暗い森の中を電車は、ゆっくりと山を下ってゆきます。
信号所は、線路一本分の空間がある分、すこしは明るく感じられますが、雨は相変わらず降っています。
「雷雲が停滞していて、運転が再開できません。」
とつれない車内放送が繰り返されました。
信号所でも長く待たされました。
トイレのない電車に とうとう、堪えきれないおじさんが運転手さんに訴えると
運転手さんは 「次の大平台駅まで行けないか。」と運転指令まで連絡を取ります。
Goサインが出ました。
電車は大平台駅まで進んでゆきます。
途中、ちらほら建物も見え、すこし空も明るく感じられます。
大平台駅についた電車に新たに連絡が入ったようです。
大平台駅のすぐ上は国道一号線です。
バスに乗り換えて、箱根湯本へ、あるいは、小田原へ振替輸送をするというわけです。
ほとんどの乗客が駅員と車掌の先導で、乗り換えてしまいました。
もともと電車の写真をとりにきた私です。
もう少し、電車にお付き合いすることにし、
駅のベンチから電車を眺めたりしていました。
しばらくすると湯本からの電車が、登ってきました。
かなり沢山の乗客です。
同じように、バスに乗り換えようとする行列が長く伸びていたその時です。
運転開始の合図があったようです。
大急ぎで電車に戻る乗客には女子高生もいて大騒ぎ、突如 あわただしく強羅行きは、出発してゆきました。
対して湯本行きは、乗客も少なく、ひっそりと発車しました。
かくして、箱根登山電車は徐々に平静を取り戻してゆくのですが、湯本から先も、東海道本線も、ダイヤは、むちゃくちゃでした。
まあ、散々な1日でしたが、これもまた 楽しからずや。
貴重な体験ができました。
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